ランニングでどの程度カロリーを消費する?
スポーツ&アクティビティ
ランニングで消費するカロリーは、年齢、体重、ランニングの種類など、さまざまな要因によって異なる。
ランニングは、カロリー消費に適している。 今、減量をフィットネスの最大の目標にしている人は、ランニングをルーティンに取り込むとよい。毎日の総エネルギー消費量を増やすのに役立つはずだ。 しかし、ランニングでどの程度カロリーを消費するのだろうか? 脂肪燃焼に特に効果的なランニングワークアウトはあるのだろうか?
カロリー消費に影響を与える要因とは?
「ランニングでどの程度カロリーを消費するか?」という問いに対する普遍的な回答は存在しない。なぜなら、人によって異なるからだ。 特定の運動時に消費するカロリー量は、個々の体によって異なる。 また、同じ運動でも強度が毎回異なるため、総カロリー消費量も異なる。
安静時に体が消費するカロリー量を基礎代謝量(BMR)と呼ぶ。BMRは1日の総消費カロリー(TDEE)の70%を占める。 BMRはランニング時の消費カロリーに影響する。 BMRを左右する要因には、次のようなものがある。
- 年齢
- 身長
- 体重
- 性別
- 身体組成(脂肪に対する筋肉の割合)
- 遺伝
- ホルモン
- その他
例えば、身長が約190cmの人は、約165cmの人よりも消費カロリーが多い。 アクティブな状態に保つべき体内組織が多いほど、安静時の消費カロリーも多い。 つまり、エネルギーコストがより高くなる。
体重が同じでも、引き締まった筋肉の割合が高い人の方が、筋肉量が少なく脂肪量が多い人よりも消費カロリーが多い。 筋肉は代謝によって活性するため、安静時にも多くのカロリーを消費する。
ランニングの場合、時間、距離、強度をコントロールしても、消費カロリーはそうした要因によって左右される。
消費カロリーを計算する方法
ランニングによる消費カロリーの概算を知るには、消費カロリー計算ツールを使うとよい。 体重、年齢、身長、性別、脂肪量を入力すると、予想消費カロリーが表示される。 こうした計算ツールでは、概算値を出すのにいくつかの数式が使われている。
数式は、BMRやボディマス指数(BMI)をベースとしている。 フィットネストラッカーを使用してもよい。 フィットネストラッカーは、活動のレベルや時間、心拍数をモニタリングし、ワークアウトで消費するカロリーの概算値を教えてくれる。
ランニングによる平均消費カロリーは?
ハーバード大学医学大学院では、30分間のランニングで消費するカロリーを3つの体重別に測定している。 その結果がこちらだ。
アクティビティ
ランニング(時速5マイル)
ランニング(クロスカントリー)
ランニング(時速6マイル)
ランニング(時速7.5マイル)
ランニング(時速10マイル)
体重約57kgの人
240
255
495
375
453
体重約70kgの人
288
316
360
450
562
体重約84kgの人
336
377
420
525
672
ほぼすべての場合で、体が大きいほど、消費カロリーが多くなっている。 体が大きい人の方がエネルギーコストが高いためだ。
カロリー消費が多いランニングの種類
ランニングのスピードを速くするか距離を増やすと、カロリー消費量が増える。 距離やスピードはカロリー消費に関係しているからだ。 運動時に心拍数が上がると、より多くのエネルギーを消費する。 心拍数が高くなると、エネルギー消費が多くなる。 ランニング後に体が回復しているときもカロリー消費は多くなる。 中程度の強度で1マイル走った場合と、5マイル走った場合では、消費カロリーが異なる。
1マイルのランニングでもインターバルスプリントのように高強度で行うなら、5マイルのランニングと同程度のカロリーを消費することもある。
高負荷インターバルトレーニング(HIIT)でランニングをすると、6~15分程度でも、長距離ランニングより多くのカロリーを消費することが知られている。 長距離ランニングの方が消費カロリーが多いと思われがちだが、実際はそうではない。
無酸素運動の心拍数ゾーンでランニングをすると、酸素を使わずに運動する状態になる。これは、アフターバーン効果とも呼ばれる。 体は、グリコーゲンを分解してATPを生成しなければ状態に追い込まれる。 この状態はエネルギーコストが高く、長時間の酸素リカバリーを必要とする。 このプロセスは、運動後過剰酸素消費(EPOC)と呼ばれている。
アズサ・パシフィック大学が実施した研究では、6分間のHIITワークアウトによる総消費カロリーを測定した。 EPOCとアフターバーン効果で、被験者の上位20%がワークアウト後24時間にわたり、400カロリーを消費したことがわかった。 6分間のワークアウト中は、平均63カロリーしか消費しなかったにもかかわらずである。
低強度定常状態(LISS)のカーディオワークアウトは、有酸素状態で約1時間行う。 有酸素とは、酸素がある状態のことだ。そのため、EPOC効果は生まれない。 ランニング中に消費されるカロリー量が、総カロリー消費量となる。 このワークアウト方法も減量に有効だ。なぜなら、エネルギー消費が高まり、カロリー収支がマイナスになるからだ。 特に、長距離ジョギングで大きな効果を発揮する。 距離を増やす代わりに、強度を上げることでもカロリー消費は多くなる。
強度を上げてカロリー消費を増やす方法の1つが、走るスピードを上げることだ。 勾配でのランニングも強度を上げるのに有効だ。 トレッドミルで勾配を設定したり、坂を走ったりすればよい。 上り坂を走ると、平地よりペースが遅くても、足を踏みだすときに活性化する筋肉繊維の量が9%増える。 そのため、より多くのエネルギーが必要になり、結果的に消費カロリーが増える。