初心者でも分かる、試合の勝者を決めるテニスのスコアの数え方に関する基礎知識

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テニスのスコアに関する用語を学び、自信を持ってコートに立とう。

最終更新日:2022年7月25日
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テニスのスコアの仕組みをコーチが解説

健康上のメリットという視点で見れば、テニスをしてみたくなる理由はたくさんある。 『British Journal of Sports Medicine』に掲載された2017年の研究によると、テニスなどのラケットスポーツには心血管疾患のリスクを低減する効果がある。 メイヨー・クリニックによる2018年の研究では、習慣的にテニスをすると寿命が延びることが分かった。

その一方で、テニスをしたいと思わない人がいることにも理由がある。 テニスには独特の用語やルールがたくさんあり、その多くは初心者にとって分かりづらい。そう語るのは、U.S.P.T.A.認定テニスインストラクターでありTennis Racket Ballの創設者であるマリオ・ムサだ。

「テニスのスコアは、初心者にとって分かりづらいかもしれません。 しかし、基本さえ理解できれば、実際はとても簡単です」とムサは言う。

スコアの数え方の要点を把握し、自信を持ってコートに立とう。

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テニスの試合の構成

P.T.R.認定テニスコーチでありIndie Tenisの創設者であるロンダ・コスタによると、テニスの試合の始め方はとても簡単だ。まず、2人のプレーヤーまたは2組のプレーヤーが、長方形のコートでネットをはさんで向かい合う。

「試合の初めにプレーヤーがコイントスをして、どちらが先にサーブをするかを決めます」とコスタは説明する。 コイントスで勝った方が、先にサーブをするか後にサーブをするかを決められます。 もう一方のプレーヤーは、コートのどちら側で試合を開始するかを選べます」

(ちなみに、全米テニス協会によると、どちらかのプレーヤーまたはペアがラケットを回してサーブの順番を決めてもよい。)

コスタによると、テニスの試合は次のように始まる。

  1. サーバーは2回サーブをすることができる。「[サーバーは]必ずボールを2個持ちます。 これはテニスの重要なエチケットです」とコスタは補足する。
  2. サーブがネットを越えて斜め向かいの四角形のエリア内でバウンドしたら、反対側のプレーヤーはボールがもう一度バウンドする前に打ち返す。 「サーブが成功したら、ネットを越えるようにコートのライン内にボールを打ち返し続け、相手が打ち返せない良いショットを打ったプレーヤーにポイントが入ります」とコスタは言う。
  3. サーブがネットに触れて斜め向かいの四角形のエリアに入った場合は、サーブをやり直す。「これをレットと言います」とコスタは補足する。
  4. サーブが斜め向かいの四角形のエリアに入らなかった場合は、2回目のサーブを打つ。 もう一度サーブをミスすると、相手にポイントが入る。
  5. 「奇数回目のゲームの後、両プレーヤーはコートでの位置を入れ替わります」とコスタは説明する。これは、コートに風が吹いていたり日が差していたりしても試合をフェアに行うためだ。

ムサによると、その他にも知っておくべきことがある。 「まず、必ずデュースサイド、つまりネットに向かって右側からゲームを始めます」とムサは説明する。これは、サーバーとレシーバーの両方に適用されるルールだ。 「次のポイントは、アドバンテージサイド、つまりネットに向かって左側から始めます。 [その後は]ゲーム終了までこれを交互に行います」

また、プレーのレベルや試合の種類によってテニスコートの大きさやサーフェスが異なることも覚えておくとよい。 コートについて詳しくは、国際オリンピック委員会によるこちらの説明をチェックしてほしい。

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ゲームのポイントの数え方

コスタによると、重要なのは、サーバーがサーブをするときにスコアを大きな声で確認しなければならないということだ。つまり、試合をするためには両方のプレーヤーがスコアの数え方をしっかり理解している必要がある。

「テニスでは、4ポイントを先取するとゲームを取ることができます」とムサは言う。 ポイントの数え方は次のとおりだ。

  • 0ポイント=ラブ
  • 1ポイント=15(フィフティーン)
  • 2ポイント=30(サーティ)
  • 3ポイント=40(フォーティ)
  • 4ポイント=ゲームに勝利

「同点の場合は、オールという言葉を使います」とムサは説明する。 たとえば、次のようになる。

  • 1-1の同点の場合、スコアは15-オール
  • ポイントが2-2の場合、スコアは30-オール

「しかし、3-3の同点になると、[テニスというスポーツの]ややこしいところですが、デュースという言葉を使います」とムサは言う。 「40-オールと言ってはなりません。テニス初心者だとばれてしまいます」

ムサによると、デュースになるとテニス初心者にはさらに分かりづらくなる。 「ゲームを取るには、2ポイント以上の差をつけなければなりません」とムサは説明する。 「サーバーがデュースポイントを取ったら、アドイン(日本ではアドバンテージサーバー)と言います。 これは、サーバーがあと1ポイントでゲームを取るということです」(ちなみに、アドインアドバンテージインの略

ムサによると、レシーバーが次のポイントを取ったら、スコアはデュースに戻る。 さらに続けてレシーバーがポイントを取ったら、サーバーは次のサーブを打つ前にアドアウト(日本ではアドバンテージレシーバー)と言う。 (アドインと同様、アドアウトアドバンテージアウトの略)

「レシーバーが次のポイントを取ればそのゲームはレシーバーの勝利となり、次のポイントを落とせばデュースに戻ります。このように、どちらかが最後のポイントを取ってゲームに勝つまで続きます」とムサは説明する。

セットとマッチの数え方

プレーヤーまたはペアが2ポイント以上の差をつけてゲームに勝ち、計6ゲームに勝つと1セットを取ることができる。

全米テニス協会によると、セットにはアドバンテージセットとタイブレークセットの2種類がある。

  1. アドバンテージセットでは、2ゲーム以上の差をつけて6ゲームを取る要があり、6-6になってもタイブレークゲームは行われず、 どちらかのプレーヤーまたはペアが2ゲーム差をつけるまでセットは続く。
  2. タイブレークセットでは、6-6になるとタイブレークゲームが行われる。

「タイブレークゲームは、1つのゲームとして扱われます」とコスタは説明する。 「2ポイント以上の差をつけて7ポイントを先取した方が勝ちです。 これでゲーム数は7-6となり、セットが終了します」

3セットマッチの場合は2セット、5セットマッチの場合は3セットを先取したプレーヤーまたはペアが、試合の勝者となります。

テニスができるようになるにはどれくらいの時間がかかるのか?

「初心者のプレーヤーが基礎を身に付け、自信を持ってコートでプレーできるようになるには、平均で3~4か月かかります」とコスタは言う。 また、コスタによると、最も時間がかかるのは、ラケットの握り方、スイング、パワーといった、テニスをプレーするために必要な身体的な能力やスキルの習得だ。 試合でのスコアの数え方はもっと早く覚えることができる。

もちろん、指導を受ければ、そのどちらもより短期間で身に付けられる。 「テニスのルールやスコアの数え方を学ぶには、認定インストラクターが行う個人レッスンやグループクラスなど、きちんとした環境で理解を深め、練習するのがベストです」とコスタは述べている。

文:ジュリア・サリバン、A.C.E.認定パーソナルトレーナー

公開日:2022年7月19日