大きな効果をもたらす4つの強力なヒルトレーニング
スポーツ&アクティビティ
筋緊張を改善し、より強いランナーになるために役立つヒルスプリントを紹介しよう。
ヒルトレーニングとは?
ヒルセッションとは、傾斜のある場所で行うランニングエクササイズのことだ。 一般的には、屋外の急な坂道で行うが、上り坂や下り坂の傾斜に合わせて調整したトレッドミルで再現することもできる。 有酸素運動の一種だが、スピードを変えることで、有酸素運動としても無酸素運動としても行える。
ヒルトレーニングの種類はさまざまだが、ここでは強力なワークアウトを4つ紹介しよう。
1.ヒルリピート
ヒルリピートでは、急な坂道を中速から高速で駆け上がる。 頂上に着いたら、Uターンして軽いペースのジョギングで坂道を下りる。 傾斜やアスリートのフィットネスレベルに応じて、これを3回以上繰り返す。 ヒルリピートは、最も一般的なタイプのヒルトレーニングで、ランナーのトレーニングプランにもよく組み入れられている。 ランニングコーチの多くが、ランニングの効率とスピードの向上のために、このワークアウトを使用している。
- ショートレップヒルリピート:ショートレップヒルリピートは、勾配が4~7%の坂道で、最長1分程度のスプリントを行うトレーニングだ。 基本的には距離が短い坂道で、高めの強度で行う。 スプリント時間が短いトレーニングでは心拍数が高くなり、最大心拍数に近い状態で無酸素運動をしていることになる。 その結果として、スピードとパワーが強化されるのだ。 このスプリントワークアウトを筋力トレーニングのランニングプログラムに組み込めば、ランニングのパワーを向上させると同時に、筋力を鍛えることができる。
- ロングレップヒルリピート:ロングレップヒルリピートでは、心拍ゾーンを有酸素運動の範囲内に保ちながら、ゆっくりしたペースで長い坂道を走る。 ロングレップヒルリピートは、4分間を上限として行う。 ゆっくりしたペースで走るので強度は低いが、精神的にはきつい場合がある。 このトレーニングの結果としては有酸素運動の能力が向上し、スタミナと持久力がアップしてパフォーマンスに反映される。
- ショートレップヒルリピート:ショートレップヒルリピートは、勾配が4~7%の坂道で、最長1分程度のスプリントを行うトレーニングだ。 基本的には距離が短い坂道で、高めの強度で行う。 スプリント時間が短いトレーニングでは心拍数が高くなり、最大心拍数に近い状態で無酸素運動をしていることになる。 その結果として、スピードとパワーが強化されるのだ。 このスプリントワークアウトを筋力トレーニングのランニングプログラムに組み込めば、ランニングのパワーを向上させると同時に、筋力を鍛えることができる。
2.ヒルクライム
ヒルクライムは、坂道でのランニングとクライムを組み合わせたものだ。 勾配が4~10%で、走り終えるのに10分以上かかるような長い坂道で行う。 このワークアウトでは、スプリントのスピードで走るのではなく、適度なペースを維持する。 ヒルクライムランは一般的に、一定の上り坂があるトレイルで行う。
ヒルクライムは、疲労への抵抗力を高めるので、長距離ランのパフォーマンス向上に効果的だ。 そのため、ハーフマラソンやフルマラソンのトレーニングプログラムには欠かせない。 ランナーは、長い傾斜のある場所で適度なペースを維持するために、適応を余儀なくされる。 これにより、平坦な場所でのランニングよりも筋肉が鍛えられ、ランニングのメカニクスや持久力が向上する。 これがレースタイムの短縮につながるというわけだ。3.ダウンヒルラン
下り坂でのランニングを組み込むと、足の筋肉が鍛えられ、膝の安定性が向上する。 下り坂を走るのは簡単そうだが、重力に抵抗して転倒を防止するには、効果的な筋肉の動きと安定感が要求される。 だから、上り坂で軽くジョギングをしてから、下り坂でスプリントするとよい。 下り坂では、重力によって常に下に引っ張られるので、走るピッチを上げる必要がある。 そうすると歩幅が狭くなり、オーバーストライドを防止できる。 これが怪我の予防やランニング効率の向上につながるのだ。
4.HIIT(高負荷インターバルトレーニング)ヒルスプリント
ランニングの時間に関してもう少し指針が必要だという場合は、高負荷インターバルトレーニングのヒルスプリントを試してみよう。 まず、自分の体力に合った勾配の坂道を選ぶ。 勾配が急であればあるほど、トレーニングがハードになる。 タイマーを用意して、20~45秒ごとにアラームが鳴るようにセットする。 タイマーが鳴るたびに、全力疾走のスプリントとアクティブリカバリーを切り替える。 リカバリーは、ウォーキングでも軽いジョギングでもかまわない。 短く時間を区切って運動と休息を繰り返す方法は、心肺機能の向上に非常に効果的だ。
ヒルトレーニングの利点とは?
1.パフォーマンスの向上
『International Journal of Scientific and Research Publications』に掲載されたある研究では、ランナーを2つのグループに分けた。 一方のグループは持久力トレーニングだけを12週間行い、もう一方のグループは持久力トレーニングと週2回のヒルリピートを組み合わせて行った。 その結果、ヒルリピートのランニングを行ったグループは、もう一方のグループよりもVO2 Max(最大酸素摂取量)、安静時心拍数、スピード、レースタイムの向上が見られた。
2.トレーニング効率の向上
サウスダコタ州立大学が行った別の研究では、ヒルトレーニングが長距離ランナーにどのような効果をもたらすかを検証した。 参加者を2つのグループに分け、 一方のグループには、トレッドミルの傾斜を10%に設定し、速いペースで30秒間走るように指示した。 もう一方のグループには、傾斜のない水平なトレッドミルで疲れるまで走るように指示した(疲れるまでの平均時間は2分16秒)。 これを6週間にわたって週2回繰り返した。
その結果、どちらのグループも疲れるまでの時間と酸素消費量が、ほぼ同じように改善された。 最初のグループの方が走った時間が短かったにもかかわらず、結果に大差はなかったのだ。 現在のルーティンを大幅に変えずに成果を出したいランナーにとって、このトレーニング方法の効率の良さは注目に値する。 数回のヒルスプリントを組み込むだけで、トレーニングの合計時間を短縮できる可能性があるからだ。3.ランニングメカニクスの向上
ヒルトレーニングは、ランニング中のピッチを上げ、適切な蹴り出しやより良い姿勢を促進するため、ランニングメカニクスの改善に役立つ。 具体的には、上り坂でのランニングは、膝の上げ下げや股関節の可動性アップに効果的だ。 下り坂でのランニングは、膝周りの筋肉や大殿筋、大腿四頭筋などの脚の筋肉を強化する。 これにより、筋肉や関節の動きをコントロールする脳の神経筋制御という働きが向上するのだ。
走法と姿勢という点では、上り坂ではフォアフット走法が促進され、 下り坂ならヒールストライク走法が促進される。 同様に、上り坂を走ると前傾姿勢になり、下り坂を走ると後傾姿勢になる。 だから、坂道でのランニングを意図的に活用することで、ランニング効率に影響を与える走法と姿勢の傾向を調整できるのだ。