次のハイキングアドベンチャーに持っていくべきスナック4選
食事
トレイル中におすすめのスナックについて管理栄養士が解説。
トレイルの最中に自然に囲まれて食事をとると、いつもよりおいしく感じられる。 それは新鮮な空気と太陽の光のおかげか、あるいは山や森をくぐり抜けていくのに相当な体力を要するせいなのかもしれない。いずれにしても、ハイキング中の軽食には格別な魅力がある。 どんな冒険を計画しているにせよ、栄養価の高いハイキング用スナックをパックに詰めておくことが常に重要となる。
ハイキングには、高い持久力が要求される。 1時間以上にわたって行う多くのエクササイズのように、ハイキングでもけがや疲労を防ぐための燃料が必要になる。 2016年に『Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics』で発表されたポジションペーパーによると、1時間以上続くエクササイズでは、1時間あたり30~60gの炭水化物を消費することが理想的だという。 これは、炭水化物が筋肉に必要な燃料のニーズを満たし、安定した血糖値を維持するというメリットを提供するためと考えられている。
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長時間におよぶトレイルの場合は、1時間あたりの炭水化物の消費量をもう少し増やす必要があるかもしれない。こうしたニーズは、運動のレベル、ハイキングの距離、さらには標高など、いくつかの要因によって異なる。 1~3マイル程度の比較的短いハイキングでも、1時間以上かけて行う場合はエネルギーを維持するためのスナックを必ず用意しよう。
ハイキング用のスナックを荷物に詰める前に知っておくべきこと
次の冒険に向けて荷造りをするときに、考慮すべき点がいくつかある。
- ハイキングの距離と強度を確認しよう。 適切な量の栄養源を持ち運ぶためにも、必ずルートを整理しておこう。 たとえば、1日90分のハイキングには、約30gの炭水化物を含む軽食が必要となる。 バナナなどは、炭水化物が多く含まれているのでおすすめだ。
- 現地の気温に合わせよう。 気温が低いなかでハイキングを行う場合は腐りやすい食品でも鮮度が保たれるのでよいが、暖かい日は食品の腐敗を防ぐために、腐りにくい軽食を選ぶ必要がある。 4℃を超える気温でハイキングする場合は、冷蔵保存が必要な食品を避けること。
- 消化に良い食品を選ぼう。 腹痛を回避するために、消化に良い食品を用意しよう。つまり、食物繊維が多い食品は避ける(少なくとも少量に抑える)こと。食物繊維は消化するのに時間がかかるからだ。
- 緊急時に備えて、少し多めに詰めよう。 大自然の中に繰り出すときは、常にバックパックにスナック(グラノーラでもプレッツェルでもOK)を1つ以上入れておくことが重要。
- 水分補給のオプションがあることも必ず確認しよう。 安全なハイキングのためには、十分な水分をバッグに用意しておくことが不可欠。 電解質を豊富に含む飲料が良い例だ。 また、水に少量の塩をまぶしても、必要なナトリウムを増やすことができる。
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次の旅に備えてハイキング用の食料を詰める
1.ジャーキーとドライフルーツ
ジャーキーとドライフルーツは、ハイキング用スナックの定番といってもいい。 下準備を一切必要とせず、腐りにくいこの2つの組み合わせは、少しでも早く登山口に立ちたいと思っている人にぴったりの軽食だ。
ドライフルーツは糖分が多いため、即効性のある炭水化物の供給源としても優れている。 即効性のある炭水化物は、ほぼ瞬時にエネルギーを供給し、最後の1マイル、または頂上までの最後のひとがんばりを乗り切るのに役立つ。 ただし、フルーツよって糖分と炭水化物の含有量が異なるので注意。 たとえば、カップ半分のドライアプリコットには約40gの炭水化物が含まれ、同量のレーズンには約57gの炭水化物が含まれている。つまり、少量を摂取する場合は後者の方がよりエネルギーを得られる。
ジャーキーのお供にフルーツを食べれば、バックパックの旅でもしばらく満腹感を保つことができるだろう。 十分なタンパク質を摂取すると、満腹感と満足感が得られる。フルーツを食べればトレイルの終わりまでたどり着くことができ、ジャーキーを食べればたどり着いたときに疲れ果てていないことを実感できるはず。
2.ナッツバターとベリーのサンドイッチ
おなじみのピーナッツバターとジャムのサンドイッチを少しアップグレードしたこの軽食は、新鮮なフルーツとお好みのナッツ(またはシード)バター、パンを使用して作る。 全粒粉パン、白パン、またはグルテンフリーのパンを含め、ほとんどの標準的なパンには一切れに約15gの炭水化物が含まれている。
パンを2枚用意し、その上にピーナッツバターを塗り、軽くつぶしたベリーを間に挟む。 この頼りになるハイキングフードは、約1時間分のエクササイズを行うためのエネルギーを補給する。 ジャムの代わりに新鮮なベリーを使用すると糖度が低くなり、糖分を抑えたい人に最適だ。 新鮮なベリーはおいしいだけでなく、栄養価が高く、ポリフェノール(植物に含まれる天然の有益な化合物)を豊富に含んでいる。
ポリフェノールには抗酸化作用がある。 長距離を頻繁にハイキングする人にとって、これは何を意味するだろうか? ポリフェノールが豊富なこうした食品の摂取は、運動中の身体的ストレスに関連した自然な炎症を軽減するのに役立つ場合がある。
3.自家製エナジースナック
エナジースナック、またはプロテインボールとも呼ばれるこれらの万能な自家製スナックは、自分に必要な栄養素を混ぜて作ることができる。
ほとんどのレシピは、ナッツやシードバター、オーツ麦といった基本的な材料と、ハチミツ、ナツメヤシ、メープルシロップといった甘味料をベースとしている。 オーツ麦と甘味料には、ハイキングに必要な炭水化物が含まれている。 ナッツやシードバターからは、脂質とタンパク質の両方が得られる。 長時間におよぶ、体力消耗のより激しいハイキングの場合は、タンパク質強化のために、粉末状のタンパク質やヘンプシード(ビーガン、タンパク質の自然食品源)を追加するといい。
バニラエッセンスで味付けするか、ジンジャーやカカオパウダーなど他のフレーバーオプションを試してみよう。 エネルギーを高めたいハイカーには、挽いたコーヒー豆や抹茶パウダーなどのカフェイン源がおすすめ。 ハイキング前にこれらをまとめて作り置きし、冷蔵庫または冷凍庫に保管し、必要なときにいつでも携帯できるようにするといい。
4.自家製パワーマフィン
焼き菓子は、バックパックで出かけるあらゆる旅において最適なスナックになる。 ただし、すべての焼き菓子が同じように作られているわけではない。
市販のマフィンやクッキーの多くには、不要な砂糖や保存料が含まれている。 自分でマフィンを作るのは比較的簡単だし、冷凍保存もできて便利だ。 マフィンのレシピは応用性も高い。小麦粉と甘味料は食習慣のニーズに合わせて選択できるし、好みに基づいてナッツ、シード、ドライフルーツなどのフレーバーを追加できる。
丸一日ハイキングに出かけるような日には、エナジースナックと同じように、マフィン生地にプロテインパウダーを加えるのも賢い方法だ。 マフィンを半分に切り、両方の断面にナッツバターやシードバターを塗ってから元に戻してバッグに入れれば、「サンドイッチ型」マフィンのできあがり。炭水化物、脂質、タンパク質をフル装備したスナックの完成だ。
文:シドニー・グリーン(理学修士、 管理栄養士)