ランナーにおすすめ。ヘルシーな食生活のための8つのヒント

Coaching

食事に関する簡単なヒントを活用して、気分、活力、睡眠の質を向上させよう。さらに、もっと気持ちよく走れるようになる効果も。

最終更新日:2020年11月11日
ランナーに効果的な健康的な食事のヒント

健康的な食生活を続ければ、快調になっていく。これは私たちが経験的に理解していることだ。 このような改善は、科学的にも実証できる。栄養状態が良くなれば、体に細胞レベルで好ましい変化が生まれる。

食べ物に含まれる栄養素が、細胞内でエネルギーを生むミトコンドリアを活性化させるのだ。ミトコンドリアは、呼吸や生存に欠かせないホルモンを分泌させ、筋肉の収縮をはじめ体の活動すべての原動力となっている。「質の高い食事をすれば、もっとパワフルになれます」と語るのは、登録栄養士のブライアン・サン=ピエール。トッププロからアマチュアまで、アスリートの健康を心身両面でサポートするPrecision Nutritionの栄養部門ディレクターだ。

「果物、野菜、タンパク質を取り、加工食品の摂取量をなるべく減らすこと。これが気分を向上させ、活力をアップし、睡眠の質や回復力も高めます。長期的に見れば、以上の効果がすべてランナーとしての成長につながるのです」とピエールは言う。

誰もが理解できる常識でありながら、健康的な食生活を実践できないのはなぜだろう。大きな理由の1つは、完璧でなければならないと思い込んでしまうことだ。「食生活の改善に対しては、中途半端じゃいけないという厳しい態度で取り組みがち。でもそんなことは持続できないので、挫折してしまうのです」と語るピエール。食生活を少しだけ健康的な方向にシフトさせ、苦痛なく習慣化できるようにすれば持続できる。

「食事を長期的にとらえることが大切。つまり、今の食生活をちょっとだけ改善するには、どんな栄養を摂取すべきか自問するのです」とピエールは説明する。たとえば1日に飲む清涼飲料水を1本減らしたり、昼食に食べるクッキーを果物に代えたり。ほんの少しだけ食生活を変えて、次の週に同じ質問を自分自身に繰り返してみるのがピエールのおすすめだ。

「知らないうちに、食生活が大きく変わっているはず。これは一晩では成し遂げられない変化です」

ちょっとした変化を取り入れる

食事に野菜を取り入れ、野菜から食べる。

「野菜は地球上で最も栄養価の高い食品。食事は野菜から食べるようにしましょう。先に野菜を食べるだけで、健康維持に必要な量のビタミン、ミネラル、食物繊維が、毎回の食事から摂取できます」と語るのは、Nike Runningグローバルヘッドコーチのクリス・ベネットだ。「ランニングと同様に、栄養もバランスを重視しながら継続して取ることが大切。バリエーション豊富な方が続けやすいという点もランニングと同じです。だから時に応じて、料理に色々な野菜を加えてみましょう」

野菜から食べ始めるのは効果的。さらに、炎症を抑えるためには(ピエールによると、炎症はランナーの故障を長引かせ、新たな故障のリスクを高める)、ホウレンソウやケールのような緑色の葉もの野菜、ブロッコリーやカリフラワーのようなアブラナ科野菜、ピーマン、キノコ類を選ぼう。どれも炎症を抑制する抗酸化物質が豊富な食品だ。

「食生活を長期的にとらえることが大切」

ブライアン・サン=ピエール
登録栄養士、Precision Nutrition栄養部門ディレクター

さらに進歩するためのヒント

01. 水分を補給する。
のどの渇きを空腹と間違えることがある。さらに見過ごせないのは、脱水症状がランニングでのケガの大きな原因の1つであるということ。「体の組織、筋肉、腱、じん帯が脱水を起こすと、ケガをしやすくなります」とサン=ピエールは説明する。この説に共感するのは、4年に一度のスポーツの祭典に4度出場し、バウワーマントラッククラブでコーチを務めるシャレーン・フラナガン。「多くのアスリートに向けて1つだけアドバイスをするとしたら、水分補給です。だるさを感じたり、頭が痛くなったりしたとき、また、体のある部分を整えたいときや、筋肉組織に不具合があるときにも、水分補給の効果は絶大です」

02. 間食で空腹と気分をコントロール
「ひどい空腹を感じてイライラし始めると、心の集中力を失い、エネルギーが枯渇します」とフラナガン。「そうなると、食べ物の選択を誤ります」彼女は常に、最近出版した料理のレシピ本、『Run Fast. Cook Fast. Eat Slow』のスーパーヒーローマフィンのように、健康的なスナックをバッグやリュックに入れて携帯したり、車に置いている。

03. 鉄分の豊富な食べ物を選ぶ。
鉄分は、甲殻類、鶏肉、豆類に多く含まれる。「鉄分はとても大事。赤血球の生成を助ける働きがあるから。赤血球は、走るときに活躍する筋肉に酸素を運ぶのです」とフラナガン。健康な筋肉を育て、健康なランナーになろう。

公開日:2020年11月11日