管理栄養士おすすめのヘルシーでおいしいクッキーレシピ4選
食事
甘くて栄養価の高いお菓子の作り方をご紹介。
デザートの定番であるクッキーは、多くの人に愛されるスイーツだ。 クッキーの種類にかかわらず、伝統的なレシピでは小麦粉、砂糖、バター、卵などの材料がよく使われる。
このような定番の材料でも構わないが、小麦粉を全粒粉やナッツパウダーに変えたり、砂糖の代わりに果物で甘味を付けたり、食物繊維の多い材料を使ったりするなど、ちょっとした工夫でクッキーの栄養価は高められる。 クッキーは甘くて美味しいもの。しかし健康的な材料で構成されたレシピであっても、クッキーは他の食事と同様にバランスの取れた栄養価の高いものであってほしい。
ヘルシーなクッキーレシピ4選
1.バナナオート麦クッキー
お菓子作りの初心者でも簡単に作れるように、まずは栄養価の高い3つの材料で作るベーシックなレシピのご紹介。 オート麦は水溶性食物繊維の宝庫で、LDLコレステロール(悪玉コレステロールとしても知られている)の低減と消化の促進に効果的だ。 バナナも食物繊維が豊富だ。中ぐらいのバナナ1本には、成人の1日の推奨摂取量の約20%を占めるビタミンB6が含まれている。月経前の症状を軽減し、認知機能をサポートする働きもある。
(関連記事:ワークアウト後に疲労感があるときに、 不足しているおそれがある重要なビタミンとミネラル)
複合糖質を豊富に含むクッキーは、従来のクッキー(精製糖や単純糖質を含むことが多い)のように血糖値を急激に上げることがない。そのためクッキーを食べた後のシュガークラッシュ(血糖値の急降下)を予防できる。 ヘルシーなデザートとしてだけではなく、ワークアウト前の軽食や外出先での朝食としても最適なクッキーだ。 シナモン、ピーナッツバター、チョコレートチップなどを加えて味をアレンジしてもいいだろう。
材料:
- バナナ(皮をむいたもの):2本
- ロールドオーツ:1カップ
- 塩:小さじ1/2杯
作り方(クッキー12枚分):
- オーブンを175℃で予熱し、天板にオーブンシートを敷く。
- 中ぐらいのボウルに皮をむいたバナナ2本を入れ、フォークの背でしっかりつぶす。 ロールドオーツを1カップと塩小さじ1/2杯を加え、よく混ぜ合わせる。
- クッキーの形に整えて天板に並べ、軽く黄金色になるまで12〜15分焼く。
2.モーニンググローリーブレックファストクッキー
クッキーは朝食で食べてもいい。このバナナとニンジンのクッキーは、ふわふわで柔らかいのに崩れにくいので、外出先での朝食や簡単なおやつにぴったりだ。 重要なのがタンパク質含有量。卵、アーモンドバター、カボチャの種により、およそ5〜9グラムが含まれている。 また、これらの食材には不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、お腹がいっぱいになり、満腹感が長時間持続する。
このクッキーは乳製品を使用していないので、食事制限のある人にもおすすめ。またグルテンフリーのオーツ麦を使用すれば、グルテンフリーの食事にこだわる人にも最適だ。 冷蔵庫や棚にある材料を使って簡単に作ることもできる。 例えば、カボチャの種の代わりにヒマワリの種や麻の実を使ったり、レーズンの代わりにドライクランベリーを使ったりすることも可能だ。 注意:糖分の総量を低く抑えるため、ドライフルーツは必ず砂糖不使用のものを購入すること。
材料:
- バナナ(皮をむいたもの):2本
- 卵:2個
- ニンジン(すりおろし):1本
- アーモンドバター:1/2カップ
- ココナッツオイル:大さじ2杯
- メープルシロップ:大さじ2杯
- ロールドオーツ:1と1/2カップ
- アーモンドパウダー:1カップ
- カボチャの種:1/4カップ
- レーズン:2/3カップ
- シナモン:小さじ1杯
作り方(クッキー12枚分):
- オーブンを175℃で予熱し、天板にオーブンシートを敷く。
- 中ぐらいのボウルに、つぶしたバナナ2本、卵2個、すりおろしたニンジン1本、アーモンドバター1/2カップ、ココナッツオイル大さじ2杯、メープルシロップ大さじ2杯を入れて混ぜ合わせる。 よくかき混ぜること。
- 別の中ぐらいのボウルに、オーツ麦1と1/2カップ、アーモンドパウダー1カップ、カボチャの種1/4カップ、レーズン2/3カップ、シナモン小さじ1杯を入れて混ぜ合わせる。
- 乾燥している材料のほうに水分を含んだ材料を加えてよく混ぜる。 生地を約3cmの大きさのクッキーに成形し、天板に並べる。 クッキーがキツネ色になるまでオーブンで25〜30分焼く。
3.そば粉のチョコチップクッキー
そば粉(buckwheat)はその名前とは裏腹に、小麦(wheat)を一切含んでおらず、また穀物でもない。 そば粉はグルテンフリーダイエットを実践している人に最適。また食事制限にかかわらず、タンパク質、食物繊維、ビタミンB群を豊富に含む優れた食材だ。 ほんのりナッツのような香りがするうえに、従来の小麦粉よりも食べごたえがあって満腹感の得られるおやつになる。
このクッキーにはそば粉に加え、ココナッツシュガーを使用する。 一部の研究によると、ココナッツシュガーは従来の砂糖よりもグリセミック指数(さまざまな炭水化物について、血糖値の上昇に与える影響をランク付けする評価システム)の数値が若干低いそうだ。 一般的に、ココナッツシュガーは従来の砂糖と栄養価も近い。特に血糖値を低く保つ必要がなければ、好みに合わせてどちらを使ってもよいだろう。 追記:卵と乳製品を使用しないので、ビーガンやアレルギーが気になる人にもおすすめのスイーツだ。
材料:
- そば粉:1カップ
- ココナッツシュガー:1/2カップ
- 液体ココナッツオイル:1/4カップ
- 砂糖不使用のアップルソース:1/4カップ
- バニラエッセンス:小さじ1杯
- 重曹:小さじ1/2杯
- リンゴ酢:小さじ1杯
- 細かく砕いたダークチョコレート:43グラム
作り方(クッキー6枚分):
- オーブンを175℃で予熱し、天板にオーブンシートを敷く。
- 中ぐらいのボウルに、そば粉1カップ、ココナッツシュガー1/2カップ、液体ココナッツオイル1/4カップ、砂糖不使用のアップルソース1/4カップ、バニラエッセンス小さじ1杯、重曹小さじ1/2杯を入れて混ぜ合わせる。 よく混ざったら、リンゴ酢小さじ1杯を混ぜ、刻んだダークチョコレート43グラムをそっと入れる。
- 大さじを使って1杯分の生地をすくい、天板に移す。 10分焼き、冷ましたらできあがり。
4.ブレインフードクッキー
このクッキーには、ナッツ類とシード類が豊富に含まれている。どちらも強力な食品カテゴリーだ。 ナッツ類やシード類からは、不飽和脂肪酸、マグネシウム、亜鉛、鉄分などのミネラル、強力な抗酸化作用のあるビタミンやビタミンEを摂取できる。これらの栄養素はすべて、脳の健康をサポートする役割を担っている。
2011年の学術誌『Nutritional Neuroscience(栄養神経科学)』に掲載された無作為の化比較試験によると、ナッツ類を補った地中海食が脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルを上昇させる。 ちなみにBDNFとは、新しい脳細胞の発現を促すタンパク質のこと。 このクッキーは脳に栄養を与えるだけでなく、グルテン、乳製品、穀物を含まないので、あらゆる食事に適している。
もちろん、レシピはさまざまな食材に代替可能だ。 例えば、ヒマワリの種をカボチャの種に変えてみたり、ナッツの分量を自由に変えたりすることもできる。 また、好みに合わせてナッツを別のものに変えてもよい。
材料:
- クルミ:1/2カップ
- ペカンナッツ:1カップ
- スライスアーモンド:1カップ
- シュレッド状ココナッツ:1カップ
- ヒマワリの種:3/4カップ
- ロールドオーツ:1/2カップ
- コーシャーソルト:小さじ1/2杯
- オリーブオイル:大さじ3杯
- 卵白:大2個分
- ココナッツシュガー:2/3カップ
作り方(クッキー15〜18枚分)
- オーブンを163℃で予熱し、天板にオーブンシート紙を敷く。
- 別の縁付き天板に、くるみ1/2カップ、ペカンナッツ1カップ、スライスアーモンド1カップ、シュレッド状ココナッツ1カップ、ヒマワリの種3/4カップ、ロールドオーツ1/2カップ、コーシャーソルト小さじ1/2杯、オリーブオイル大さじ3杯を入れて混ぜ合わせる。 材料が混ざったら、ココナッツがきつね色になり、香ばしい香りがするまで約10~12分焼く。 冷ます。
- 大きなボウルに卵白(大2個分)を入れ、しっかり泡立てる。 ココナッツシュガー2/3カップを加え、とろとろで透明感がなくなるまで泡立てる。 火であぶったナッツをミックスしたものを加え、均一になるように混ぜ合わせる。
- オーブンシート紙を敷いた天板に、混ぜ合わせたものをカップ1/4杯分ずつ等間隔に載せる(天板が小さい場合は2枚必要)。 途中で天板の向きを変えながら、クッキーの端が黄金色になるまで15〜20分焼く。 ワイヤーラックに移して冷ます。
文:シドニー・グリーン(理学修士、 管理栄養士)