栄養士に聞く、運動後におすすめのリンゴを使ったヘルシーレシピ5選
食事
秋が旬のリンゴは、体が必要とする栄養素を豊富に含んでいるため、ワークアウト後の食事にぴったりの食材だ。
一年を通して美味しく食べられるリンゴだが、その旬は秋。旬の季節に収穫されたリンゴには、健康状態を全体的に改善してくれる栄養素がたっぷりと含まれている。
たとえば、リンゴには 食物繊維が多く含まれているため、血糖値を安定させ、満腹感をもたらしてくれる。 中ぐらいのリンゴ1つだけで、成人に推奨される1日の ビタミンC摂取量のうち14%を摂取できる。ビタミンCは、細胞の成長と修復を助けてくれる大切な栄養素だ。 また抗酸化物質も豊富に含まれているため、フリーラジカルに対抗し、特定の慢性病のリスクを抑えてくれる。
さらに、 筋肉の回復に欠かせない炭水化物も多く含んでいるため、運動後のリカバリー食にはぴったりの食材と言える。
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「リンゴには複合炭水化物が豊富に含まれているため、運動で失われたグリコーゲンの蓄えを補充するのに役立ちます」と語るのは、管理栄養士のリサ・モスコヴィッツ氏だ。彼女によると、リンゴにはエネルギーと血流を増加させ、運動後のリカバリーと疲労回復に役立つ、強力な抗酸化物質が含まれていることが分かっている。
運動後のリカバリー食が重要な理由
「運動はエネルギーを枯渇させ、体にストレスを与えます。これは良いストレスですが、ストレスであることに変わりはありません」とモスコヴィッツ氏。 「ストレスは体内の炎症を増加させ、怪我のリスクを高めます。 このため、炎症を抑え、運動後のリカバリーと修復を促すのに適した食材を選ぶことが非常に大切です」とのことだ。
傷付いた組織を再構築し、エネルギーを補給するために専門家が推奨している運動後の食事のタイミングは、 アナボリック・ウィンドウと呼ばれる時間帯だ。これは、運動後に筋肉の修復・回復が起きる時間帯を指している。 このアナボリック・ウィンドウは、過去の研究では運動後30分のみとされていたが、 最近の研究によると、高タンパクのリカバリー食は、運動後4~6時間に摂取しても良いことが分かっている。
理学修士で登録管理栄養士でもあるローレン・マナカー氏は、 適切なリカバリーを促すためには、運動後に炭水化物とタンパク質の両方を含む食事を取ることが重要であると述べている。
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リンゴを使ったヘルシーレシピ5選
1.クランチーヨーグルト・アップルサンドイッチ
「運動後は、リカバリープロセスを開始するために、単純炭水化物と高品質のタンパク質を補充することを目標にしましょう」と提案するのは、理学修士、 登録栄養士(R.D.)、 スポーツ栄養学認定スペシャリスト(C.S.S.D.)、 そして認可栄養士の肩書きを持つエイミー・グッドソン氏だ。
グッドソン氏は、スライスしたリンゴ、バニラ味のギリシャヨーグルト、高タンパクのグラノーラでミニサンドイッチを作ることを推奨している。 作り方は、まずリンゴを半分に切って芯を取り、スライスする。 スライスしたリンゴの上にバニラギリシャヨーグルトを薄く塗って、グラノーラクラスターをのせ、その上にリンゴを重ねる。
「リンゴとグラノーラで複合炭水化物を摂取することで、運動で失われたエネルギーを補充できます」とグッドソン氏は言う。 「ギリシャヨーグルトには、筋繊維の修復と再構築に必要な、高品質のタンパク質が含まれています。」
このレシピでは高品質のタンパク質が含まれるグラノーラを使っているため、運動後に推奨されている15~25gのタンパク質を摂取できるという。
「目標は運動後、なるべく早いタイミングで食べること。こうすることで、体をリカバリーモードに切り替えられます」とグッドソン氏は言う。
2.ベイクドアップル・オートミール
朝起きてすぐ運動したい人に、登録管理栄養士のマギー・ミハルチック氏がおすすめするのは、美味しい朝食にもなるリカバリー食だ。
「オーツには様々な栄養素が含まれていますが、その中でも特に水溶性食物繊維であるベータグルカンが豊富なため、満腹感が長く続きます」とミハルチック氏は言う。 「リンゴとオーツの組み合わせは、筋肉のエネルギーを補充し、ワークアウト後しばらくの間に必要なエネルギーを確保することに役立ちます。また、それぞれが抗酸化物質を含む食材であるため、フリーラジカルによるダメージから体を守ってくれます」とのことだ。
作り方:
- まずは次の材料を混ぜる:オールドファッション・オーツ 1.5カップ、フラックスシード・パウダー 大さじ1、シナモンパウダー 小さじ1、パンプキンパイ・スパイス 小さじ2、ジンジャーパウダー(またはすりおろし)小さじ1、無糖アーモンドミルク 3/4カップ、パンプキンシード 大さじ2、ベーキングパウダー 小さじ1、塩 小さじ1/2。
- これとは別に、次の材料を混ぜる:カボチャのピューレ 1/2 カップ、中くらいのリンゴ(皮をむいてさいの目に切ったもの) 1個、メープルシロップ 1/4カップ、卵 1個。
- 次に、ここまで混ぜた材料をボウルで合わせる。 できたものを、油を塗った焼き型に注ぎ、華氏350度で30分間、または上部に少し焦げ目がつくまで焼く。 ナッツバターをかけ、余ったリンゴがあればそれものせる。 四角に切り分ける。
3.シナモンアップル・レーズンドーナツ
こちらはよくあるドーナツとは少し違うが、美味しさは同じレシピだ。 モスコヴィッツ氏が紹介してくれたのは、リンゴの輪切り、カッテージチーズ、そのほか美味しいトッピングを使った、運動後におすすめの簡単レシピだ。
作り方:
- リンゴを半分に切り、芯を抜く。
- リンゴを厚さ約5mmの輪切りにする(中くらいのリンゴで5、6枚分)。
- スライスしたリンゴにカッテージチーズをのせ、ドライレーズンとシナモンをふりかけ、その上に粒なしのアーモンドバターをトッピングする。
「アーモンドバターは抗炎症作用のある栄養豊富な脂肪で、美味しいだけでなく、運動後に増してしまう空腹感を満たしてくれます」とモスコヴィッツ氏は言う。 「また、栄養価が非常に高いため、エネルギーを補給しながら、同時に激しい運動で失われたビタミンとミネラルも補充することができます。」
また、カッテージチーズは完全タンパク質の補給源として優秀な食材であり(筋肉の構築と修復に必要な必須アミノ酸が9種類すべて含まれている)、1/2カップで12gもの完全タンパク質が摂取できるとのことだ。
さらに同氏によると、「また、汗をたくさんかくことで失われるナトリウムやカリウムなどの電解質も補給できます」という。
4.ピーナッツバター・アップルトースト
「この軽食は、食物繊維、タンパク質、脂肪のバランスが良く、酸化ダメージを抑える抗酸化物質が豊富に含まれています」とマナカー氏は言う。
作り方は、全粒粉パンのトーストに、ナチュラルピーナッツバターを塗り、スライスしたリンゴをのせる。 その上にシナモンとヘンプシードをふりかけたら、栄養価の高い軽食の完成だ。
「シナモンには抗炎症作用と抗菌作用があり、免疫システムとストレス応答を強化してくれます」とモスコヴィッツ氏は言う。
ヘンプシードを材料に取り入れることで、タンパク質の摂取量を増やす(大さじ1杯あたり3gのタンパク質が含まれる)だけでなく、炎症を軽減し、遅発性の筋肉痛やダメージを緩和するのにも役立つオメガ3脂肪酸も補給することができる。
5.リンゴとカッテージチーズシナモン
運動後のタンパク質補給源として優秀な食材である、カッテージチーズ。そんなカッテージチーズを使った満腹感のある軽食のレシピを、マナカー死が紹介してくれた。 作り方は簡単。さいの目に切ったリンゴとカッテージチーズ、シナモンを、小さなボウルに入れて混ぜるだけ。
「リンゴの皮を残しておけば、食物繊維を補給でき、満腹感を得ることができます」と彼女は説明している。 「カッテージチーズには良質なタンパク質だけでなく、骨の健康を助ける栄養素も含まれています。 そしてもちろん、リンゴで炭水化物を補給できます。」