膨満感を軽減する75品目の食品
食事
腹部膨満感を解消する万能薬はないが、症状を軽減させてくれる食品はある。食べても膨満感を引き起こしにくい食品もいくつかある。
膨満感に悩まされずに済むコツをご紹介しよう。 膨満感や鼓腸(ガス溜まり)が起こる理由はさまざまだ。それでも腹部が膨らんで突き出し、腹部に異常な張りを感じる不快な症状は一貫している。 腹部膨満感を即座に解消するような薬はないが、身体の症状を軽減させるのに役立つ食品はある。さらには食べても膨満感を引き起こしにくい食品もいくつかある。
膨満感の軽減に効果的な食品75品目以上をご紹介
腹部膨満感を引き起こしている原因によって、症状を緩和させる方法も異なる。 食物繊維を多く含むものなど特定の食品を食べると、腹部膨満感が軽減される人もいれば、逆にガスが発生してしまうという人もいる。 自分にとって最も効果的な食べ物を探すためには、いろいろ試してみる必要があるだろう。
今回取り上げた膨満感軽減のための食品リストを見ていくと、何度も同じ食品が登場する。これは膨満感を軽減させるメカニズムが複数あり、2つ以上のメカニズムに関係する食品もあるからだ。
1.カリウムを多く含む食品
2.水分を多く含むフルーツや野菜
体内の水分バランスが崩れると、体が水分を溜め込み、むくみを感じやすくなる。 通常は、運動などの活動によって体液が失われる。 失われた分の体液が新しく流入しないと、損失分を埋め合わせるために体が水分を保持しようとする。
体内水分量を適切に保つため、1日を通して水分を摂取する必要がある。 ただし、水分の補給は、水分を多く含む食品の摂取でもまかなえる。 以下に挙げる食品は、水分を少なくとも80%含むだけでなく、微量栄養素が健康増進のために重要な役割を果たしてくれる。
- キュウリ
- カンタロープ
- イチゴ
- レタス
- キャベツ
- セロリ
- ホウレンソウ
- カボチャ
- フルーツジュース
- ヨーグルト
- リンゴ
- ブドウ
- オレンジ
- ニンジン
- ブロッコリー(調理済み)
- 洋ナシ
- パイナップル
3.プロバイオティクス食品
腸内細菌のバランスが崩れると、膨満感や過剰なガスの発生に繋がりやすい。 腹部膨満とそれに伴う不快感を軽減する治療について2014年に発表された研究では、特にビフィズス菌などのプロバイオティクスには腸内バランスを正常化する効果があることが証明された。 また、2018年に発表された大規模な研究レビューでは、プロバイオティクス食品には腹部膨満とそれに伴う不快感を軽減する効果が期待でき、IBSの患者に特に効果的であることが分かった。
ハーバード大学医学部出版(Harvard Health)の専門家は、プロバイオティクスは発酵食品に最もよく含まれると説明している。 以下の食品は、元々プロバイオティクスを含んでいる場合もあれば、過剰発生したガスを減らす目的で発酵食品に添加されている場合もある。
- キムチ
- 紅茶キノコ
- ヨーグルト
- ケフィア
- ザワークラウト
- ピクルス
- 味噌
- テンペ
- サワードウブレッド
4.繊維質を含む食品
膨満感が便秘に由来する場合、食物繊維を含む食品を食べることで、消化を改善し、正常化を促して、症状を軽減することができる。
食品に含まれる食物繊維には、水溶性のものと不溶性のものがある。 水溶性食物繊維は粘着性があり、便の体積を増やす。 これを含む食品の例としては、オートミール、大麦、豆類などが挙げられる。 一方、不溶性食物繊維は体内で消化されない。 不溶性食物繊維を含む食物を摂取することで、食物が消化管を素早く通過し、便秘の防止に役立つ。 全粒粉、野菜全般、ふすま、マメ科植物などが、不溶性食物繊維を含む代表的な食品だ。
しかし、食物繊維に富んだ食べ物を食生活に取り入れる場合には注意も必要だ。 胃腸がこのような食べ物に慣れていなかったり、短時間に摂り過ぎたりしてしまうと、逆に膨満感やガスの発生を促してしまう可能性がある。 また、食物繊維の摂取量を増やす場合には、脱水症を防ぐために水分をしっかり摂ることも忘れてはいけない。
アメリカ国立衛生研究所では、以下に挙げる高食物繊維食品が便秘症状の改善に役立つと提言している。
- 全粒粉
- 全粒粉のパン
- 全粒粉のパスタ
- オートミール
- ブランフレークのシリアル
- レンズ豆
- 黒豆
- インゲン豆
- 大豆
- ひよこ豆
- ベリー類
- 皮付きのリンゴ
- オレンジ
- 洋ナシ
- ニンジン
- ブロッコリー
- グリーンピース
- コラードグリーン
- アーモンド
- ピーナッツ
- ペカンナッツ
5.腹部に対し鎮静作用を持つハーブとスパイス
6.低フォドマップ(FODMAP)食
膨満感や消化器症状がIBSによるものなら、低FODMAP食への切り替えを検討してもいいだろう。 FODMAPという言葉は、F(発酵性)、O(オリゴ糖)、D(二糖類)、M(単糖類)、A(and)、P(ポリオール)の頭文字を取ったものだ。 これらの短鎖炭水化物は小腸で吸収されにくく、結果的に腸内ガスの発生などの胃腸障害を招く可能性がある。
もしIBSと診断されたのなら、登録栄養士と相談して、個別に食事プランを立てることをおすすめする。 ジョンズ・ホプキンス・メディスンの栄養学の専門家は、適切な食事プランに取り入れるものとして以下の食品を推奨している。
- 卵と肉類
- ブリー、カマンベール、チェダー、フェタなどのチーズ類
- アーモンドミルク
- 米、キヌア、オーツ麦などの穀物
- ナス、ジャガイモ、トマト、キュウリ、ズッキーニなどの野菜
- ブドウ、オレンジ、イチゴ、ブルーベリー、パイナップルなどのフルーツ
低FODMAP食を実践する場合は、乳製品、小麦製品、レンズ豆のほか、一部の野菜(アーティチョーク、アスパラガス、タマネギ、ニンニクなど)やフルーツなどを控える必要がある。
膨満感の対処法
膨満感に時々悩まされる程度ならば、市販の医薬品に頼る人が多い。 医療機関や薬剤師に相談して、自分にぴったりの薬を見つけよう。
膨満感に度々悩まされるようなら、食事日記をつけるのがおすすめだ。 自分の食習慣を改めて考えてみると、症状の原因を特定できるかもしれない。原因と思われる食べ物を食事から取り除き、症状が収まってくるか観察してみよう。
食生活を変えても、薬局の薬を試しても腹部膨満感が改善しないようなら、かかりつけの医師に相談して他の潜在的な原因を調べてもらうか、適切な薬を処方してもらおう。