生理中でも大丈夫。 工夫して楽にワークアウトを楽しもう。

健康とウェルネス

月経中はワークアウトをする気になれないことがある。 しかし体を動かすことは、月経前症候群(PMS)を引き起こすホルモンを調節し、感情や体調を最良の状態に整える効果がある。

最終更新日:2022年6月30日
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ほとんどの場合、体を動かすのは良いことだ。エンドルフィンを一気に上昇させつつ、健康的にエネルギーを発散し、楽しい時間を過ごせるからだ。

しかし、月経中はワークアウトをする気になれないという人もいる。 とにかくゆったりした服を着て、リラックスして過ごしたいという人もいるだろう。 まさに自分が当てはまる、という人もいるだろうが、あなたの仲間はたくさんいる。

しかし、生理中の運動は月経痛を和らげるだけでなく、幸福感をもたらすホルモンを急増させる。 やる気が出ないときでも、ワークアウトが体と心の状態を改善してくれる可能性があるのだ。

とはいえ、懸命に自己ベストを更新に挑んだり、高負荷インターバルトレーニング(HIIT)を行ったりする必要は全くない。 軽い有酸素運動やヨガ、または中程度の負荷のウェイトリフティングなどを行うだけで十分だ。 ここでは、生理中に楽しみながら体を動かすヒントを紹介する。

生理中の運動がきつくなるのはなぜ?

一言で説明すると、それはホルモンのせいだ。 月経周期に応じてホルモンは大きく変動する。 ホルモン量の増減が最も激しくなるのは、月経前と月経のはじめの数日だ。 特に、プロゲステロンとエストロゲンという2つのホルモンが月経周期を調整する役割を担う。

月経が始まるとき、プロゲステロンとエストロゲンの分泌量は最低レベルになる。そのため、疲労感や脱力感が生じたり、体力や気力が一時的に減退したりすることがある。 興味深いことに、フィットネス界ではエストロゲンが不当に悪者扱いされることがあり、脂肪の蓄積やイライラ感の原因となるホルモンとして目されることが多い。 たしかにそれも一理あるのだが、エストロゲンはタンパク質同化作用を持つ成長性ホルモンであり、筋肉を成長させ、質を高める役割があることも知っておくことが重要だ。 エストロゲンは運動後のリカバリーにおいて筋肉を補助すると示す研究もある。

月経中に運動するメリットとは?

PMSの症状が現れやすい人にとって、運動は効果的な改善策となりうる。 運動をすると特定の神経伝達物質(エンドルフィン、ドーパミン、セロトニン、ノルエピネフリンなど)の分泌量が高まるが、これらの物質は幸福感や安定感の向上に関係があるのだ。

たとえば、エンドルフィンには、脳内のオピエート受容体と呼ばれるものに作用して痛みを感じにくくする効果がある。さらに、幸福感を促進する。 研究では、運動がエンドルフィンの分泌を促進することが明らかにされている。 生理中のイライラや月経痛で苦労する人は、運動により生化学的なアプローチで体調を改善できる可能性があるのだ。

ある研究結果によれば、生理中にわずか45分から60分の運動を最低週3回行うことで、月経困難症が大幅に減る可能性があるという。

エストロゲンは一部の神経伝達物質、特にセロトニンとドーパミンの生成に影響を与える。 エストロゲンは月経周期のはじめに最低レベルとなるため、これらの必須化学伝達物質が減少する。

セロトニンとドーパミンはどちらも気分を改善するのに有効な神経伝達物質だ。 そして幸福感をもたらすこれらの化学物質の増加を促してくれるのが、運動である。つまり、運動がセロトニンとドーパミンの両方の分泌を促し、エストロゲンの低下の影響を相殺してくれるというわけだ。

もう1つメリットがある。運動で心拍数が上がると、脳に送られる血流量が増える。 これにより、月経時に起こりがちな症状であるブレインフォグ(集中力の低下)が解消される可能性がある。 起床後すぐの運動によって、脳の中のもやが取り払われ、てきぱきとした1日を過ごす準備が整うのだ。

こういった生化学的なメリットに加え、生理中の運動が体調の改善につながる理由は他にもある。 月経に伴う症状があるときに外出して体を動かすことは、良い気分転換になりうる。 今やっていることを中断し、音楽や元気が出るポッドキャストを聴きながら外を散歩をすることを検討してみよう。疲労感が和らぎ、活力アップに役立つことが期待される。

生理中にやる気を出すのがとりわけ難しいのであれば、友達と一緒のワークアウトを試してみるのもおすすめだ。 生理でワークアウトのプランが狂うことはよくあること。だからといってすべてキャンセルするのではなく、調整してワークアウトを楽しめる方法を見つけよう。

エキスパートが作成・指導するワークアウトメニューが揃ったアプリをダウンロードすることも、モチベーション向上につながる。

生理中のエクササイズに役立つ4つのアドバイス

生理中のワークアウトの進め方

生理中の数日間は、いつもの運動習慣を調整した方が順調なワークアウトの継続に役立つかも知れない。 体を限界まで追い込んでいると感じることなく、運動の効果を楽しむことができるだろう。

  1. 1.強度を下げる

    普段は、心拍数を限界まで上げて汗をかくワークアウトを行っている人もいるだろう。 しかし生理中の体は疲れやすい。 すべてやめるのではなく、中程度の負荷のワークアウトを試してみよう。 心拍数を程よく上げて血流を促しながら、その時々の体のニーズに合わせてワークアウトを行うことが重要だ。

  2. 2.何か新しいことを試す

    月経中のHIITやウェイトリフティングがハードだと感じる場合は、何か新しいことを試してみよう。 たとえば試したことのないヨガ、スローペースのラン、またはウォーキングにトライするのはどうだろう? 体が何か別のものを求めているときは、いつものルーティンに縛られなくても良い。 むしろ、自分が楽しめるとは思わなかった新しいものに出会えるチャンスだ。

  3. 3.水分をしっかり摂る

    月経中でエストロゲンとプロゲステロンが減少するとき、体はより多くの水分を蓄え、これが膨満感の原因となる。 矛盾するように聞こえるかもしれないが、生理中は水分摂取量を上げることで水分の貯留を減らすことができる。 目標は1日に約200mlの水を最低10回飲むこと。それが膨満感の予防になる。

    「膨満感を軽減するために食生活に取り入れるべき75品目」もぜひチェックしよう!

  4. 4.身体の声を聞く

    重いPMSや原発性月経困難症に悩む女性もいる。 その場合は、ワークアウトを行う前や最中に、自分の体に耳を傾けることがとても大切だ。 その結果、生理1日目に運動を休むことになっても、それで構わない。 頑張り過ぎは身体能力の回復に逆効果となることもある。 必要に応じて必ず休みをとろう。そして月経に付随する症状が常に重い場合は、かかりつけの婦人科医に相談することも検討してみよう。

    さらに、 快適でデザイン性の高いウェアを着ることで、モチベーションが上がることもある。 ワークアウトウェアで気分転換ができそうな場合は、アイデアを探しにNike.comにアクセスしてみよう。

公開日:2022年1月24日