エリプティカル、トレッドミル、屋外ランニング。一番効果的なのは?
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エリプティカルとトレッドミルは、どちらも人気の高いカーディオマシン。この2つに効果の違いはあるのだろうか? 屋外でのワークアウトの方がよいだろうか? それぞれのメリットとデメリットを比べてみよう。
最も効果的なカーディオトレーニングは何かと考えるとき、エリプティカルとトレッドミルランニングの違いを比べるかもしれない。 ランニングをすると決めたなら、トレッドミルを使用して屋内で走るべきか、屋外で走るべきかという疑問も湧いてくるだろう。 それぞれのメリットとデメリットを比べるのは必ずしも簡単ではないが、以下の解説をヒントにしよう。
まずは基本から。エリプティカルとトレッドミルの違いは何だろうか。
エリプティカルとトレッドミルの違いとは?
エリプティカルマシンは据え置き型のエクササイズマシンで、クロストレーナーとも呼ばれる。 足を置く2つのパネルに左右の足を乗せ、 ハンドルをそれぞれ左右の手で握る。 足を動かし、ハンドルを手前に引くと、マシンが円を描くように動いて、ランニングの動きを再現する。
トレッドミルはつながったベルトが回転するマシンで、その場でウォーキングやランニングができる。 トレッドミルの上では、屋外ランニングと同様、自由に動ける。
エリプティカルのメリットとは?
エリプティカルマシンがジムで人気を集める理由はいくつかある。 簡単に使用でき、効果がある。また、ローインパクトのマシンであるため、トレッドミルよりも安全で関節への負担が少ない。
エリプティカルマシンでのワークアウトでは、強度レベルを調節できる。 強度を上げると抵抗が強くなり、ペダルが重くなる。 毎回の動作を終えるのに力が必要になるため、筋肉に負荷がかかる。
一方、これはローインパクトのマシンで、ワークアウトの間、足はペダルに置いたままだ。 この点がトレッドミルでのランニングとは異なる。トレッドミルでは、両足が地面から離れる瞬間があり、着地時に衝撃がかかる。 エリプティカルマシンはローインパクトであるため、関節に問題がある人やけがのリハビリ中の人も使用でき、高齢者やワークアウトのルーティンを始めたばかりの初心者にも適している。
エリプティカルワークアウトには、最近人気のハイインパクトの負荷の高いワークアウトから逃げて楽をしているような印象があるかもしれない。しかし、ある調査では、ローインパクトのエクササイズを行うことで、対象者グループの体脂肪の減少、筋力の強化、心肺機能の向上に効果が認められた。
エリプティカルマシンでのエクササイズを見くびってはいけない。エリプティカルでも強度の高いワークアウトは可能だ。 抵抗を強く設定すれば毎回の動きの負荷が増し、筋肉に働きかけて脂肪の燃焼を促すことができる。 高強度のトレーニングだけではない。インターバルトレーニングにも利用できる。 全力で追い込む時間と強度を下げる時間を組み合わせれば、ローインパクトの高負荷トレーニング(HIIT)を構築できる。
エリプティカルを使用するメリットはもう1つある。上半身を鍛えられることだ。 ハンドルを手前に引いたり、体から離したりする動きにより、腕に抵抗がかかる。 全身を使うワークアウトになり、ウォームアップやカーディオトレーニングのセッションにぴったりだ。
トレッドミルのメリットとは?
トレッドミルには、エリプティカルとは異なるメリットがある。自分自身や状況、目標次第で優れた成果を生み出す場合もある。 ランナーが行うワークアウトとしては、トレッドミルの方が用途が広い。傾斜をつけてのウォーキング、軽いジョギング、強度の高いスプリントなども可能だ。
スピードやワークアウトの強度を調整できるトレッドミルランニングは、初心者も熟練アスリートも含め、誰にとっても優れたオプションだ。
とはいえ、トレッドミルは体への負担が大きいハイインパクトのマシン。 2007年に『British Journal of Sports Medicine』誌に掲載された研究で示されているように、硬い地面でランニングを行うと、関節痛やけが、シンスプリントを引き起こす可能性がある。 ランニング初心者、高齢のランナー、けがからの回復期にあるランナーには、トレッドミルは適さないだろう。
トレッドミルでのランニングは、下半身の筋力強化に役立つ。特に大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングといった脚の筋肉をターゲットにできる。 ウォーキングやランニングは人気の高い一般的なエクササイズの1つであり、心肺機能を高め、脚を引き締め、筋力を強化する効果が期待できる。
2017年に発表された研究によれば、12週にわたるトレッドミルでのウォーキングの実験で、対象者の筋力、筋持久力、足首の可動域と柔軟性が向上したという。 トレッドミルでの高負荷インターバルトレーニング(HIIT)も、体力やスタミナを向上させる効果が大きいことが示されている。 ある研究によると、HIITは他のカーディオトレーニングよりもカロリーを多く消費でき、体脂肪を効率的に減らせるそうだ。
トレッドミルでのランニングと屋外でのランニングではどちらがよいか?
自分に適したエクササイズはランニングだと決めたら、今度は屋内と屋外のどちらで走るべきかを迷うのではないだろうか。 次はこの2つを比べてみよう。
トレッドミルランニングのメリット
1.環境をコントロールできる
トレッドミルでのランニングなら、雨の日も晴れの日も走れる。 屋内でのワークアウトでは、天気や気温、戸外の明るさの制約を受けることがない。 マラソン大会に向けてのトレーニングでも健康のためのエクササイズでも、重要なのは習慣にすること。 しかし、天気が悪い日や外が暗いとき、特に冬季は屋外でランニングができないことがある。 トレッドミルでのランニングは、そのような場合の代わりの手段として最適だ。
2.ペースを維持できる
レースやマラソン大会のためのトレーニングで高い成果を得る手段の1つは、一定のペースを維持する方法を身につけることだ。 屋外で走るとなると、周囲に気を取られたり地面の起伏に悩まされたりして、ペースの維持に苦労することがある。 トレッドミルなら一定のペースをキープして走れる。
屋外ランニングのメリット
1.メンタルヘルスに効果的
『Mental Health & Prevention』誌に掲載された2019年のある研究で、屋内ワークアウトと屋外ワークアウトを比較している。 屋内で運動した対象者より屋外で運動した対象者の方が、気分が向上し、落ち着いたという報告が聞かれた。 混雑した騒がしいジムでのランニングと美しい公園での運動を比べれば、理由は明白だ。
2.実際のレースの状況に近い
レースやマラソン大会では、屋外の舗装路を走るのが一般的。 トレッドミルでのトレーニングでは、屋外で遭遇する状況に対応する準備が十分にできない可能性がある。 例えば、風の抵抗に対処する、ペースをコントロールする、周囲に気を取られないようにする、上り坂や下り坂で調整するといった対応が必要になる。 経験豊富なランナーは、レース当日と同じような環境で練習した方がよいと認識しているだろう。