管理栄養士が提案する、ワークアウト後にワンポットで作れる料理4選

食事

汗をかいた後に手早く作れる栄養たっぷりの食事レシピをご紹介。

最終更新日:2023年4月7日
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管理栄養士が提案する、ワークアウト後に簡単に作れるワンポットミール4選

ワンポットで作る料理なら、ハードなワークアウトの後に手早く簡単に用意できる。 ワンポットレシピの最大の利点は、 時間を節約でき、食器洗いの手間を減らせること。鍋やフライパンをはじめ、いくつもの調理器具を必要とする料理と比べれば、はるかに楽だ。 ワンポットの料理とは、その名の通り、最低限の調理器具(たとえば鍋、ナイフ、スパチュラのみ)で作れる。

調理が比較的簡単で、ある研究論文では、自炊と食習慣全般の健康向上には関連があることが示されている。 健康的な食事を摂り、習慣的に運動をする人は、運動はするが栄養豊富な食事をしない人や、食生活は健康的だが運動をしない人と比較して、循環器疾患やがんのリスクが低いことも、研究で明らかになっている。

ここではワンポットで作れる料理のレシピを4つご紹介。各料理がワークアウト後の体にもたらす効果もチェックしよう。

(関連記事:「直観的な食事」の健康効果とは?

平日の夜のワークアウト後に簡単に作れるワンポット料理のレシピ

  1. 1.野菜とバジルソースのパスタボウル

    管理栄養士が提案する、ワークアウト後に簡単に作れるワンポットミール4選

    3~4人分

    材料:

    • レンズ豆製のパスタまたはひよこ豆パスタ:1箱
    • 刻んだアスパラガス:2カップ
    • 小房に分けたブロッコリー:1カップ
    • バジルソース:1/3カップ
    • 唐辛子フレーク(お好みで)

    作り方:

    1. パッケージの指示に従ってパスタをゆでる。
    2. ゆで上がる2分前に、パスタの鍋にアスパラガスとブロッコリーを加える。
    3. パスタ、アスパラガス、ブロッコリーを湯切りし、バジルソースをからめる。
    4. お好みで唐辛子フレークをトッピングしたらできあがり。

    調理時間:15分以下

    ヒント:

    レンズ豆やヒヨコ豆で作られたパスタは、従来の全粒粉パスタと比べて、タンパク質を多く含む(レンズ豆製パスタは1カップにつきタンパク質21グラム、全粒粉パスタは1カップにつきタンパク質8グラム)。 特に、植物由来の食品を積極的に摂りたい人にぴったりのレシピだ。

    レンズ豆製パスタやヒヨコ豆パスタから摂取できるタンパク質は、筋肉の回復を助け、筋肉の成長を促す。運動中に自然に起きる筋繊維の破断の後に欠かせない修復プロセスをサポートするというわけだ。 また、こういったパスタに含まれる複合炭水化物は、ワークアウト中に使い果たした筋肉のグリコーゲン貯蔵の回復を助ける。

    さらに、ブロッコリーとアスパラガスで食物繊維、ビタミン、ミネラルをプラスでき、充実した食事になる。 ただ、ヴィーガンや乳糖不耐症の人は、市販のバジルソース(チーズが入っていないもの)を購入するか、自分で作るか検討する必要があるだろう。

  2. 2.ボウルでエッグロール

    管理栄養士が提案する、ワークアウト後に簡単に作れるワンポットミール4選

    3~4人分

    材料:

    • ゴマ油(または植物油):小さじ2杯
    • みじん切りにしたショウガ:大さじ1杯
    • ニンニク(みじん切りにする):2片
    • 七面鳥または牛肉のひき肉:450グラム
    • コールスローミックス:4カップ
    • しょうゆ:大さじ2杯

    作り方:

    1. 大きめのフライパンを中火で熱し、ゴマ油を加える。
    2. 油に照りが出てきたらショウガとニンニクを加え、1分ほど炒める。
    3. ひき肉を加え、崩しながら火が通るまで5~7分炒める。
    4. コールスローミックスとしょうゆを加える。
    5. 野菜がしんなりするまで炒める。
    6. お好みでご飯を添えてできあがり。

    調理時間:20分以下

    ヒント:

    この料理に必要な材料は10種以下だが、タンパク質や野菜が十分摂れるし、風味も満点だ。

    好みのひき肉(七面鳥、牛肉に加え、鶏肉でも可)を使い、植物性の食材を使いたい人は硬めの豆腐で代用できる。

    パックになったコールスローミックスを買えば、野菜を刻む必要もない。 スーパーマーケットなどでコールスローミックスが手に入らない場合は、紫キャベツとキャベツ、ニンジンを買って自分で用意しよう。

    ただし、この料理は炭水化物がとても少ないことには注意が必要だ。軽いサイクリングやヨガのような負荷の低いワークアウトの後なら、この一皿でちょうどいいかもしれない。 だが、重いウェイトを使うトレーニングやカーディオトレーニングのようなワークアウトの後は、ご飯を添えて、負荷の高いハードなエクササイズで燃焼した炭水化物を補うことをおすすめする。

    (関連記事:栄養士に聞く、運動後におすすめのリンゴを使ったヘルシーレシピ5選

  3. 3.カボチャとレンズ豆のチリ煮

    管理栄養士が提案する、ワークアウト後に簡単に作れるワンポットミール4選

    2人分

    材料:

    • 野菜を煮込んで作っただし汁(こしておく):1カップ
    • タマネギ(角切りにする):小1個
    • バターナッツカボチャ(皮をむいて刻む):2カップ
    • トマト(刻む):大3個
    • 緑パプリカ(角切りにする):1個
    • トマトペースト:1/4カップ
    • 乾燥緑レンズ豆:1カップ
    • チリパウダー:小さじ2杯
    • 海塩と黒コショウ適宜

    作り方:

    1. 大きめの鍋を中火で熱し、だし汁を少量加える。
    2. 玉ねぎを加え、混ぜてから数分煮る。
    3. バターナッツカボチャを加え、さらに5分煮る。
    4. トマト、緑パプリカ、トマトペースト、レンズ豆、チリパウダー、塩コショウ、残りのだし汁を加える。
    5. かき混ぜて火を弱め、ふたをする。
    6. 材料が煮詰まり、だし汁がほとんどなくなるまで20~25分コトコト煮る。
    7. できあがり。

    調理時間:40分以下

    ヒント:

    チリ煮は代表的なワンポット料理だが、このレシピはグルテンフリーのヴィーガンバージョンだ。レンズ豆と野菜から豊富な栄養を摂取できる。 レンズ豆は、鉄とマグネシウムを含む植物性の食品。この2つの栄養素は、健康全般にも運動のパフォーマンスにも重要な役割を果たす。

    また、このチリ煮は、レンズ豆から複合炭水化物、さらにバターナッツカボチャとトマトから抗酸化物質を摂取できる。 『Nutrients』誌に掲載された2022年のレビュー論文によると、抗酸化物質を多く含む食品には、運動後のリカバリーを助ける働きがあるという。 野菜を煮込んだだし汁を使えば、ヴィーガンバージョンのチリ煮ができるが、 肉類も食べる人は、タンパク質をたくさん摂りたい場合、骨を煮込んだだし汁を使うとよい。

    (関連記事:栄養士がすすめる、ワークアウト後に最適な高タンパクの軽食

  4. 4.サツマイモと卵のハッシュ

    管理栄養士が提案する、ワークアウト後に簡単に作れるワンポットミール4選

    2人分

    材料:

    • ココナッツオイル:小さじ1杯
    • サツマイモ(さいの目切りにする):中1個
    • スモークパプリカ:小さじ1/2杯
    • 赤パプリカ(角切りにする):1個
    • パックで販売されているケールの葉(刻む):2カップ
    • 卵:4個
    • 海塩と黒コショウ適宜
    • アボカド(スライスする):1個
    • 青ネギ(小口切りにする):1本

    作り方:

    1. オーブンを200℃に予熱しておく。
    2. 鉄製フライパンを中火で熱し、ココナッツオイルを加える。
    3. ココナッツオイルが溶けたら、サツマイモを加える。
    4. 混ぜずに4分加熱する。
    5. サツマイモに焦げ目がついたら裏返し、さらに5分加熱する。
    6. スモークパプリカと赤パプリカを加え、2分加熱する。
    7. ケールを加えてしんなりしたら、フライパンをコンロから下ろす。
    8. フライパンの中身を4か所くぼませ、そこに卵を1個ずつ割り入れる。
    9. 塩コショウで味付けしてオーブンに入れ、卵に火が通るまで6~8分ほど焼く。
    10. オーブンから取り出し、アボカドと青ネギをトッピングする。
    11. 皿に取り分けてできあがり。

    調理時間:25分以下

    ヒント:

    具材を細かく刻んで作るハッシュは、朝食だけのレシピではない。鍋一つで手早く簡単に作れ、朝昼晩いつの食事でもおいしく食べられる。

    優れたタンパク源である卵から、タンパク質に加え、必須アミノ酸であるロイシンもしっかり摂れる。 ロイシンは、筋タンパク質の生成で欠かせない役割を果たす。卵2個に含まれるロイシンはおよそ1,000ミリグラム。これは、筋タンパク質合成を促すのに最適な量だ。

    また、筋肉の最大限の成長を助けるだけではない。この一皿で5種の植物を摂取できる。 多種多様な植物を食べることは、消化管の健康向上の要だ。「消化管の健康」とは、胃腸などの消化管全体の健康(消化管にすむバクテリアのバランスが健全であることも含む)を指す。 習慣的に運動に励むアスリートは、消化管の健康に意識を向けることで、パフォーマンスが高まる可能性があるだけでなく、リカバリーも促進できる。

    ベジタリアンに対応し、グルテンフリーでもあるこのレシピなら、多くの人が食事に求めるニーズを満たせるだろう。

文:シドニー・グリーン(理学修士、 管理栄養士)

管理栄養士が提案する、ワークアウト後に簡単に作れるワンポットミール4選

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公開日:2023年3月31日

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