さまざまなワークアウトを強化できるBosuボールのおすすめエクササイズ10選
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安定性の強化に役立つワークアウト器具について、エキスパートが解説。
ワークアウト器具としては、ちょっとハードルが高そうにも見えるBosuボール。だが適切に使うことで、トレーニング効果を大きく高められる万能なツールだ。 ご存じのないみなさんのために説明すると、Bosuボールは半分にカットしたバランスボールのような形。 平らな面は高密度のプラスチックに覆われていて、この平面側を上にして使うこともできる。 ドーム状の面と平らな面の両方を使用でき、ワークアウトのレベルアップに役立つ。
「Bosuボールは、筋力、敏捷性、スピード、バランスの向上に限りなく役立ちます」と語るのは、ヘイリー・アクラディ(認定パーソナルトレーナー)。 ヘイリーはLife Time Fitnessのパーソナルトレーナーで、Ultra Fitのコーチを務めている。「トレーニングからリハビリまで、この器具は簡単に使えて、保管も楽です」
Bosuボールエクササイズのメリット
「筋力とコンディショニングを確実に強化し続けるには、安定性を高めるトレーニングをワークアウトプランに組み込む必要があります」と語るのは、ドリュー・シュタウファッハ(NASM認定パーソナルトレーナー)。9Round Fitnessでディレクターとしてフィットネスプログラムの作成に携わるエキスパートだ。
シュタウファッハのおすすめは、Bosuボールに乗って行うスクワット。まずは自重から始めて、徐々に負荷を加えていく。ウェイトを使ったスクワットを無理なくできる人でも試して欲しい。 「この自重スクワットをすると、エクササイズの動作が変わります。トレーニングの進歩につながる筋力強化のために重要なトレーニング手段になるでしょう」
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Bosuボールを使うワークアウトは、全身の活性化に効果的。下半身の筋肉(大腿四頭筋、大臀筋、ふくらはぎ、ハムストリング)も、上半身の筋肉(背中、胸、肩、上腕三頭筋、上腕二頭筋)も、コアの筋肉も鍛えられるとアクラディは話す。
何より、このワークアウトはメンタル面にも高い効果が期待できる。 シュタウファッハはこう語る。「Bosuボールのエクササイズは、心肺系や筋骨格系を鍛えるトレーニングと組み合わせることができます」 「それに、神経系が強化されるため、バランスの取れた、総合的に見て効果の高いワークアウトになるのです」
ワークアウトのルーティンにバランストレーニングを多く取り入れると、体に新しい神経回路が作られる。 実際、Bosuボールのような器具を使ったバランストレーニングには、健康な成人の記憶力と空間認識能力の向上を促す効果があることが研究で明らかになっている。
完璧なバランス感覚を習得する秘訣
言うまでもないが、Bosuボールを使うエクササイズで最も難しいのはバランスを保つことだ。
「Bosuボールを使うトレーニングを始めたばかりの頃は、筋肉も、体も心もその不安定な状況に慣れていません」とシュタウファッハ。 では、安定性に関わる心と体の結びつきを確立するにはどうすればよいのだろうか? 2人のトレーナーが強調するのは、やはり練習に練習を重ねるしかないということ。
アクラディがすすめるのは、ドーム状の面と平らな面の両方で、30分または体が不安定な状態に慣れてくるまで、立ったままの姿勢をキープすること。 これにより、日常生活の動きでは見過ごされがちな小さな筋肉が活性化される。 この感覚に慣れるにつれ、神経系が活性化されて脳に信号が送られるため、筋肉が落ち着き、適応してくるとアクラディは説明する。
そして、この感覚に慣れると「揺れ」をうまくコントロールできるようになるそうだ。 「大きな筋肉を鍛えることで力がつくように、小さな筋肉を鍛えることでバランスが向上します。 神経系の反応は、最も速く適応します」
試してみたいBosuボールエクササイズ10選(トレーナー公認)
興味が湧いてきたら、 レジスタンストレーニングのレベルアップを目指すタイミングで、シュタウファッハとアクラディがすすめる10種のBosuボールエクササイズを試してみよう。
1.クロスボディマウンテンクライマー
ドーム状の面を下にしてBosuボールを置く。 平らな面に付いているハンドルを両手でつかみ、ハイプランクの姿勢になる。 背中はまっすぐにし、首はニュートラルな状態を保ったまま、右膝を胸に向かって引き寄せ、左の肘にタッチする。 ハイプランクの姿勢に戻り、続けて反対側で行い、交互に繰り返す。
左右合わせて20回繰り返し、2~3セット行う。
2.バーピー
足を腰幅に広げて立つ。 ドーム状の面を外側に向けて、Bosuボールを胸の高さで持つ。 腕を伸ばし、Bosuボールを頭上に持ち上げる。 腰から上体を折って前屈し、Bosuボールを床に置く。 Bosuボールを床に押し付けて後方にジャンプし、ハイプランクの姿勢になる。 プッシュアップを1回行ってから、ジャンプして両足を最初の位置に戻し、再び立ち上がってBosuボールを頭上に持ち上げる。
これを10~15回繰り返し、2~3セット行う。
3.シングルレッググルートブリッジ
平らな面を下にしてBosuボールを置く。 仰向けの姿勢で両脚をBosuボールに乗せてから、床と垂直になるように右脚を持ち上げる。 左足のかかとを押して腰を持ち上げ、膝、腰、肩が一直線になるようにする。 少しキープしてから腰をゆっくり下ろし、最初の位置に戻る。 反対側の脚で繰り返す。
左右で10回ずつ繰り返し、2~3セット行う。
4.ハイズマン
ドーム状の面を下にしてBosuボールを床に置く。 Bosuボールの平らな面に左脚を乗せる。 コアを意識しながら腰を折って上体を倒す。 左脚に体重を乗せ、右脚が床と平行になるまで後ろに伸ばす。 同時に左腕を前方に伸ばす。 少しキープしてから、コアを意識して左肘と右膝を引き寄せてタッチする。 立った姿勢に戻る。 反対側の脚で繰り返す。
左右で10~15回ずつ繰り返し、2~3セット行う。
5.スクワット
平らな面を下にしてBosuボールを置く。 足を腰幅に広げてドーム状の面の上に立つ。 膝を曲げて腰を落とし、膝の角度が90度のスクワットの姿勢になる。 膝がつま先より前に出ないように気をつけること。 かかとで床を押して立った姿勢に戻る。 難易度を上げるには、ドーム状の面を下にしてBosuボールをセットし、同じ動きを行う。
これを10~15回繰り返し、2~3セット行う。
6.スプリットスクワットジャンプ
ドーム状の面を上にしてBosuボールを置き、足1つ分ほど前に立つ。 左足を後ろに下げ、つま先を下向きにしてBosuボールに乗せる。 背中をまっすぐに保ったまま、腰を落としてランジの姿勢になり、左膝が床から1インチほど浮いた状態になるようにする。 力強くジャンプして、空中で両脚を伸ばす。 柔らかく着地して、すぐにランジの姿勢に戻る。
左右で10~15回ずつ繰り返し、2~3セット行う。
7.バックエクステンション
平らな面を下にしてBosuボールを置く。 ドームが腰の真下に来る位置で、Bosuボールの上にうつ伏せになる。 両脚を伸ばす。 足首は曲げたままにし、このエクササイズの間、つま先が床に触れる状態にしておくこと。 腕を前方にまっすぐ伸ばす。 コアを意識し、背骨をニュートラルな位置に保ち、上半身をできるだけ高く持ち上げてから元の姿勢に戻る。 この動きをコントロールしながらゆっくり繰り返す。
これを10~15回繰り返し、2~3セット行う。
8.サイドプランクヒップディップス
平らな面を下にしてBosuボールを置く。 サイドプランクの姿勢になり、ドーム状の面に左肘を乗せてバランスを取る。 肩が肘の真上に来るようにし、ヒップの左右のラインをまっすぐに整えて、下半身が一直線になるようにする。 ヒップ左側をできるだけ高く持ち上げてから、サイドプランクの姿勢に戻る。 反対側で同じ動きを繰り返す。
左右で15回ずつ繰り返し、2~3セット行う。
9.シングルレッグピストルスクワット
ドーム状の面を下にしてBosuボールを床に置く。 足を腰幅に広げて平らな面の上に立つ。 左脚を上げてボールから浮かせ、右脚でバランスを取って腰を落とす。 同時に左脚を前方に出し、姿勢を保てる範囲でできるだけ深くスクワットする。
左右で15回ずつ繰り返す。 この動きがきつすぎる場合は、左右5~7回ずつ繰り返すところから始めよう。 これを2~3セット行う。
10.Bosuボールアップアンドオーバー
平らな面を下にしてBosuボールを置く。 Bosuボールの左側に立ち、左足を床に置いたまま、右足をドーム状の面に乗せる。 腰を落として、45度のスクワットの姿勢になる。 腕の勢いを使って力強くジャンプし、Bosuボールを飛び越える。 空中で足を入れ替えてボールの右側に立ち、今度は右足を床に置いて左足をドーム状の面に乗せる。 間に休憩を挟まずに、交互にジャンプを続ける。
これを15~20回繰り返す。 まずは1セットから始めて、できるようならもう1セット。かなり強度の高いエクササイズであることに注意しよう。
文:フェイス・ブラー