エキスパートが教える、筋力アップに効果的な3つのヨガポーズ

健康とウェルネス

筋力トレーニングのルーティンにヨガを取り入れるのは効果的なのだろうか? ここではヨガの効能について詳しく紹介する。

最終更新日:2022年7月26日
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エキスパートが教える、筋力を高めるための3つのヨガポーズ

柔軟性、リラクゼーション、可動域の拡大など、ヨガにはいくつものメリットがあるとよく言われる。 ヨガはそういったメリットをもたらすだけではなく、筋力トレーニングのルーティンに加えても効果を発揮する可能性がある。

International Sports Sciences Associationによると、ヨガを行うことで関節が保護され、集中力と持久力を高められるという。また同協会は、自重だけで行うヨガにより、体幹、脚、上半身などの主な筋群の筋力が向上することが証明された研究結果も提示している。 『Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine』で発表されたある研究では、約12週間で筋力と持久力に有意な増加が認められた。

パワーヨガやヴィンヤサフローヨガは、全身の筋力(特に上半身の筋力)を強化できるが、特定の筋群をターゲットにできるポーズもいくつかある。 筋力を鍛えるポーズをいくつかフィットネスルーティンに組み込み、週に数回取り組めば、数か月後に効果が現れるかもしれない。

ここでは、おすすめのヨガのポーズとともに、ヨガで筋肉を育てるコツを紹介しよう。

  1. 1.戦士のポーズ2

    エキスパートが教える、筋力を高めるための3つのヨガポーズ

    ヨガ初心者やしばらくブランクがある人には全身の筋力を使うポーズが効果的だと話すのは、RYTの有資格者で、Hilton Head Healthの登録ヨガインストラクターのベネディクト・ガドロン氏。 彼女のおすすめのポーズは「戦士のポーズ2」。上半身をリラックスさせながら下半身の筋肉を動員できるものだ。 このポーズの手順は次のとおり。

    • 右足を後ろに一歩引き、マットの後ろの辺と並行になるように置く。つま先を少し内側に向けてもよい。 左足はつま先を前に向け、 左膝は伸ばした状態でキープする。

    • 前側の膝を曲げ、太ももが床に並行、すねが床に垂直になるようにする。背すじはまっすぐに保つ。 頭はお尻の真上に来るようにする。

    • 左腕を左脚の上で伸ばし、右腕は真後ろに伸ばす。 両腕が床に平行になるよう、一直線に伸ばす。 目線は左腕の先に向ける。

    • 上体が伸ばした腕につられて前方に傾かず、垂直になるように意識する。 腰の向きは上体に揃うようにする。
  2. 2.プランクからアップドッグ

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    2つのポーズを行うことになるが、重要なのはポーズの移行。筋肉を使うことで、効果が感じられる。

    • プランクの姿勢から始め、腕を伸ばし体を押し上げた姿勢でコアを引き締め、全身が一直線になるようにする。

    • 脇を締めたまま、両肘をゆっくり曲げていく。腰が落ちたり、肩が崩れたりしないように気を付けながら体を下ろしていく。

    • 床から約10cmの位置まで下がったら、その高さをキープして、足の甲を床に付ける。

    • 腕を伸ばして肩を後方に下げ、胸を前方に向ける。太ももが床から浮き、背中はわずかに反った状態になる。

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  3. 3.三日月のポーズ

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    ランジは下半身の筋力強化の鍵になる。このポーズでは腕も上げるので、広背筋、僧帽筋、三角筋などの上半身の筋肉も使う。 負荷を高めたい場合は、ランジの姿勢で両手にダンベルを持つか、静的に力を発揮するアイソメトリック収縮を意識してみよう。 たとえば、肩を下げたままで天井を押し上げるように意識すると、上半身の筋肉に効果がある。

    • まず、両足を腰幅に開いたまま左足を一歩後ろに大きく引く。両足をマットの長さと同程度に前後に離して置くようにする。 綱渡りのように両足を前後一直線に揃えるのではなく、腰幅に保つこと。

    • 前側の膝を曲げ、後ろ側の脚は伸ばしたままでかかとを床から上げる。 前側の膝は、太ももが床に平行になるように曲げる。 腰は正面に向けて水平に保つ。

    • 両腕を頭の両側で天井に向けて伸ばし、足でマットを押して腰が伸びるのを感じる。

効果を高めよう

「戦士のポーズ2」、「プランクからアップドッグ」、「三日月のポーズ」といったポーズを行うだけでもたくさんの筋肉を使うが、効果をさらに高める方法を紹介しよう。

  • 30秒以上または呼吸5回分ポーズをキープする:力強くポーズを次々と行うだけでも十分だが、ポーズをキープすればレベルアップできるとガドロン氏は話す。 姿勢を変えたくなった時が、効果が出始めるタイミングだという。 「ポーズをキープすると体を感じる時間ができ、修正を繰り返すことになります。 筋力に加えてスタミナも向上し、心と体の安定性を保てるようになります。」

  • すばやくポーズを移行する:ポーズをすばやく移行して、次のポーズを長くキープしようとすると、1回のセッションでたくさんのポーズを行える。 ガドロン氏はこう説明する。「ポーズをたくさん行うほど、働きかける体の部位が増えます。 短時間で移行すればスピードがアップし、別の力も強化されます。」

  • 呼吸を意識する:呼吸を意識できるようになればポーズも長く保てると、ガドロン氏は補足する。 このような呼吸のトレーニングにより、他の運動の能力も高まるのだ。 たとえば、2021年に『Journal of Clinical Medicine』で発表された研究では、呼吸により疲労を和らげて持久力運動を向上させられることが明らかになった。 ゆっくりと深く呼吸するヨガを行うと、酸素を筋肉に最大限に取り込めると、ピラティスインストラクターのジェシカ・シャッツ氏(RYT有資格者)は話す。

何より継続が大事だ。 シャッツ氏いわく、毎週のフィットネスに一貫してヨガを組み込めば、筋力向上以外のメリットも得られるそうだ。

「ヨガの習慣が、ストレス軽減、免疫力アップ、快眠といったメリットをもたらすことを裏付ける調査は数多く実施されています。 このすべての『メリット』が、筋力を含め、運動能力の向上につながるのです。日常生活全般における動作も改善できます。」

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文:エリザベス・ミラード

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公開日:2022年4月21日