Nikeおすすめのウェイトリフティングシューズ
購入ガイド
負荷に耐えられるシューズを選ぶときは、安定性のあるフラットなソールを探そう。
サイクリングのクラスでジーンズを履かないのと同じように、ウェイトリフティングでランニング用のシューズを履いたら、最適なパフォーマンスは得られない。 シューズはさまざまな運動ニーズに合わせて設計されており、重い荷物を運ぶ場合は特に、そのニーズに合ったものを選ぶ必要がある。
「ウェイトリフティングシューズは安定したサポート基盤を提供し、地面とアスリートの間でより効率的に力を伝達します」こう語るのは、理学修士であり、認定パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクター、ヘルスコーチの資格を持つエイミー・ニコテラだ。
バックスクワットやデッドリフトのようなウェイトリフティングの動きは、体を鍛えるのに効果的なエクササイズとされる。 そして適切なフットウェアは、運動能力の向上に役立ち、動きを導くことでけがの予防やリハビリテーションを助ける。
テキサス大学医学部ガルベストン校のポダイアトリー(足病学)の助教授であるシャネル・パーキンス博士(DPM)によると、「フラットソールのシューズは骨盤の傾きを防ぐのに役立つため、ウェイトリフティングに適しています。骨盤が傾くと、腰に悪影響を及ぼす可能性があります。 反対に、かかとが少し高いウェイトリフティングシューズもありますが、これはスクワットやオリンピックスタイルのリフティングに適しています」
『Journal of Biomechanical Engineering』誌に掲載された研究では、ウェイトリフティングシューズがランニングシューズやベアフットリフティングと比べて体幹の傾きを最小限に抑え、安定性を高めることが示された。
ここでは、ウェイトリフティングの初心者にもベテランのプロにも最適な、次回のワークアウトから使えるウェイトリフティングシューズを紹介する。
ウェイトリフティングに最適なシューズ
Nikeのエキスパートたちが繰り返し言っているように、ウェイトリフティングに最適なシューズとは、ぴったりとフィットするシューズである。 シューズを試着する際は、ゴルディロックスの法則を念頭に置くといい。つまり、緩すぎずきつすぎない、ちょうど良いフィット感のウェイトリフティングシューズを選ぶことが重要だ。
「リフティング中は、優れた安定性とサポート性で足を守るシューズが必要。ぴったりとフィットすることが不可欠なのです」と、パーキンスは説明する。 「皮肉にも、こうしたシューズは散歩用として履くにはあまり快適でなく、クッション性も低くする必要があります。大切な機能は、足に力を入れて支え、持ち上げるための力を生み出すサポートを提供することだからです」
必要なのは安定した基盤。そこで、特にバランスが求められる片足立ちの運動に最適な、つま先に十分なゆとりがあるフラットシューズを選ぼう。ただし、大きすぎるシューズは足が滑るので禁物だ。 「足の裏は、床を感じられるくらいがちょうどよいです」とニコテラはすすめる。 「平らでソールの薄いシューズの方が、足裏の感覚受容体がその機能をより良く果たすのを助けてくれる傾向があります」
初心者に最適なウェイトリフティングシューズ:ナイキ エア マックス アルファ トレーナー 5
とりわけウェイトトレーニングを始めたばかりの人には、しっかりとした土台が欠かせない。 エア マックス アルファ トレーナー 5は、フラットで幅広のソールが足をしっかりと地面に固定させる。 前足部のフレックスグルーブ(アウトソールやミッドソールにある溝)はランジに最適で、フォームの履き口が連続した動作を行う際に足首をサポートする。 エア マックス アルファは、メンズ向けの最適なウェイトリフティングシューズの1つ。カラーは、定番のブラック&ホワイトから明るい雰囲気のブロンジーンまで、6色を用意している。
ミニマリストに最適なウェイトリフティングシューズ:ナイキ エア マックス ベラ TR 5
「ミニマリスト向けのシューズはウェイトリフティングに適しています」と、パーキンスは言う。 「足の幅に制限が少なく、まるでソックスを履いているような感覚が得られます。 また、フロアとの接地感が向上し、リフティング時のグリップ性が向上します」
エア マックス ベラ TR 5のアップデートされたデザインは一見地味に見えるかもしれないが、スリーブのような構造とラバートレッドが筋力トレーニング中に足をしっかり固定する。女性向けのベストウェイトリフティングシューズとして首位を獲得した一足だ。 足がしっかり固定されていれば滑る心配もなく、足をサポートする相棒のような存在となってくれる。
パワーリフティング選手に最適なウェイトリフティングシューズ:ナイキ メトコン 9
多くのアスリートに使用されているメトコン 9。 ウェイトリフティングやクロストレーニング向けに作られた万能なシューズだ。 スプリットスクワットやデッドリフトなどの下半身のエクササイズで安定感を確保できるようにスタイルが一新され、より大きめのHyperliftプレートをヒールに内臓。 この足裏の硬さが、特に重い負荷がかかったときにサポート性を発揮する。 14色が用意されており、自分のスタイルに合わせてカスタマイズすることも可能だ。
マルチタスクに最適なウェイトリフティングシューズ:ナイキ サバレオスとナイキ MC トレーナー 2
リフティングプラットフォームからウェイトマシンに移行できるジム用シューズなら、サバレオスがおすすめ。 このユニセックスシューズは、幅広のベースで安定性を確保し、硬めのミッドソールとかかと部分を高くしたデザインで、トレーニングにパワーをもたらす。 面ファスナー付きストラップにより、ハードなトレーニング中も足がしっかり固定される。
MC トレーナー 2は、最高のパフォーマンスとコンディショニングのための秘密兵器だ。 カーディオに最適なウィメンズ向けウェイトリフティングシューズとして、ヒールの下を幅広で厚くしたフラットなベースがウェイトリフティング時の安定性を確保。さらに、前足部を薄くすることで、スピードドリルに切り替えるときも快適な履き心地を維持する。
よくある質問
平らなシューズの方がリフティングにより適している理由は?
ウェイトリフティングに平らなシューズの方が適している理由は、端的に言えば、安定性に優れているから。
ウェイトリフティングの初心者は、ジムで履いているという単純な理由から、ウェイトリフティングの際にもランニングシューズを履いてしまうことがある。 しかし、クッション性に優れたヒールやパッド入りソールは、かかとが路面に着地するときには役立つが、100ポンド(約45kg)のウェイトを持ちながらスクワットするときには役に立たない。
パッドが多いと、サポートするベースの安定性が低下する可能性がある。 枕の上でスクワットをすることを思えば、普段履いているランニングシューズも履きたくなくなるだろう。
大切なのは、しっかりした足場でぐらつくことなく、効果的に地面を押し出せるようなセットアップを作ることなのだ。 パーキンスはこうつけ加える。「フラットシューズは足の筋力を強化して、地面から力を伝わりやすくし、ウェイトリフティング時のパワーを増大させるのを助けます」
一方で、ウェイトリフティングシューズには非圧縮性のフラットなソールが搭載されているため、安定性としっかりとした立ち姿勢を確保できる。
「平らなシューズほどポステリア筋群を多く動員するため、より重いウェイトを持ち上げられるようになります」とニコテラは言い、さらにこう続ける。 「さらに、これらの筋肉群は、ウェイトルームの中だけでなく外でも姿勢やフォームを維持する上で重要な役割を果たします。 これにより、アスリートはより多くのウェイトを持ち上げたり、より多くの回数をこなせたりすようになるのです」
ウェイトリフティングシューズを履くとけがを予防できる?
ウェイトリフティングシューズは、リハビリを行う人にとって特に効果がある。 スクワットで膝を曲げたり、かかとを上げたりする動作をサポートするからだ。
National Strength and Conditioning Association(全米ストレングス&コンディショニング協会)は、ウェイトリフティングの際、脛がほぼ垂直のシャンクポジションになることを推奨している。 シャンク、つまり脛が傾斜しているのはよくない。 足首に可動性があると、スクワットのフォームを正しい状態に保てる。
『Journal of Biomechanical Engineering』に発表された研究では、足首が適切にサポートされていないと、足が外側に回転し、けがにつながる恐れがあると報告されている。 ウェイトリフティング用に設計されたシューズでは、かかとを上げるときに足首の底屈(下方向への動き)を促す。
「かかとが少し高めのウェイトリフティングシューズを履くと、足首の可動域が限られているアスリートでも従来のスクワットをより安全に行いやすくなり、大臀筋に直接負荷をかけられる可能性があります」とニコテラは言う。
逆に、ランニングシューズを履いてウェイトリフティングをすると、足首に逆の負荷がかかってしまう。 クッション性に優れたソールは足を固定しにくいので、安定性を維持するためにつま先が上を向くことを余儀なくされるためだ。
ウェイトリフティングシューズを履くことには腰痛を抑える効果もあるという。 パーキンスはこう話す。「ウェイトを持ち上げる際は、腰へのストレスや負担をかけないようにすることが大切です。フラットシューズは骨盤の傾きを防ぐことにより、それを助ける効果があるのです」
ウェイトリフティングシューズは必要?
「はい。裸足で持ち上げるという選択をしない限り、ウェイトリフティングシューズは必要です」とパーキンスは答える。 「リフティングをする時は、ランニングシューズを履かないでください。 ランニングシューズは、クッション性と走る際に生じる力の衝撃吸収力が非常に高くなります。 ウェイトリフティングの目標は、力を吸収することではなく、生み出すことなのです」
ニコテラはウェイトリフティングシューズについて、特に重い物を持ち上げる際に安定性を発揮する点が気に入っているという。 「自重トレーニング中にシューズの中で足が滑ると、足首をひねってしまうリスクがあるので対策を考えておかなければなりません」彼女はこう続ける。 「外部からの負荷が加わると、さらに深刻なダメージを引き起こす可能性があります。 繰り返しになりますが、足元の接地感がとても大切です。 土台が強固であれば、より一層の力を生み出すことが可能になるのです」
文:イェレーナ・モロズ・アルパート