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習慣化のコツ
コーチング
BJ・フォッグ博士

小さな習慣こそが効果的な理由
毎日のルーチンに、前向きな変化を加えたい。そんな人々の願いを叶えるため、私は健康的な新しい習慣が継続できる方法を独自に考案した。名付けて「Tiny Habits(小さな習慣)」である。
この方法を考案したのは、まず私自身が多くの新しい習慣を身に付けて、健康的な生活を送りたかったから。スタンフォード大学の行動科学者として、テクノロジー製品の研究に携わりながら、確信を深めたのは「小さな変化で行動が大きく変わる」という真実だった。
新しいエクササイズや、食事や、リカバリーの習慣をルーチンに取り込んで継続させたい。数ヶ月間にわたって、その方法を模索したことがある。研究を進めるうち、生活をあっさりと変えられる法則があることに気付いた。その法則が他の人にも有効かどうか確かめてみたくなったのである。
「小さな変化は効果的。しかも楽しい。小さいほどすぐ効果を実感できて、より大きな変化が新たな生活へのドアを開く」

それから9年にわたって、私は40,000人以上に新しい習慣を身に付ける指導を実施した。集まった500,000件以上のデータから、総合的に導き出した結論はこうだ。「小さな変化は効果的。しかも楽しい。小さいほどすぐ効果を実感できて、より大きな変化が新たな生活へのドアを開く。」
小さい習慣ほど効果的なわけ
小さな変化の利点は、強靭な意志やモチベーションが不要なこと。実際のところ、意志やモチベーションは大して当てにならない。これは科学で簡単に説明できる。つまりハードルの高い行動ほど、より大きな動機が必要になるという法則だ。バーピーを100回こなすのにチーム全員の応援が必要な人は、応援のない状況になると動機を失って簡単に諦めてしまうだろう。
野心的なチャレンジは、たいてい挫折で終わる。そんな不本意なサイクルを防ぐためには、簡単で小さな習慣から始めるのがおすすめだ。バーピーを1日2回だけやろうと決めれば、達成できる可能性がかなり高くなる。疲れてソファーでくつろぎたい日でも、2回なら苦もなくできるからだ。こうやって継続を積み重ねることで、簡単な成功体験を実感できる。この感覚こそが、変化を持続させていく鍵となるのだ。
成功の鍵は「ときめき」
繰り返すことで習慣が作られると言う人もいる。だがこれは間違いだ。習慣は繰り返しではなく、感情から生まれる。新しい習慣を実践して、成功を実感することで習慣が脳に記録されるのだ。このような成功体験が化学反応を引き起こし、無意識に実践しやすくなっていく。無意識にやってしまうことこそ、習慣化の証しである。
「すぐに強力な成功体験を味えたら、あっという間に習慣化できる。それが研究でわかったこと」


研究でわかったのは、すぐに強力な成功体験を味わえたら、あっという間に習慣化できること。この成功体験には正式な名前がなかったので、著書『Tiny Habits』で「ときめき(Shine)」と呼ぶことにした。
新しい習慣をうまく身に付けたいのなら、ときめきを感じる達人になればいい。このパワフルな感覚が自信を生み出して、毎日の選択が変化してくる。
小さな習慣を実践してみる
私の著書では小さな習慣(Tiny Habits)の実践法を解説した。また5日間の無料のプログラムでは、エキスパートによるガイドも提供している。
ここでは、私のメソッドから3つの基本的なステップを紹介しよう。
01 可能な限り小さな習慣にする。
「やらなくちゃ」という義務感からは継続が生まれない。習慣にしたいことが頭に浮かんだら、それが本心から身に付けたい習慣なのか自問しよう。習慣はなるべく具体的で小さなものに設定するのが肝心だ。「小さな習慣」なのだから、本当に小さなものにすること。それが、継続の必須要件であることが実証済みだ。たとえば睡眠の質を向上させたいなら、「寝室ではなくキッチンでスマートフォンを充電する」といった小さな習慣が効果を生む。ジムでエクササイズする頻度を上げたいなら、「夜のうちにジムバッグにギアを詰めておく」といった小さな習慣が有効だ。2回のバーピーを、20回に増やしたくなる日もあるだろう。小さな習慣を超える行動はいつでも歓迎だ。
「新しい習慣が小さければ小さいほど、モチベーションに頼る必要がなくなる。ここが重要なポイントだ」
でも、20回のバーピーを新たな課題に設定してはいけない。ポイントを多めに獲得した程度に考えるのがいい。新しい習慣が小さければ小さいほど、モチベーションに頼る必要がなくなる。ここが重要なポイントだ。

02 新しい習慣を毎日のルーチンにうまく組み込む。
たちえば「瞑想しながら、ゆっくり3回深呼吸」を新しい習慣にしたいのなら、朝のコーヒーをカップに注いだ後や、通勤の電車に乗った直後などに実践すればいい。新しい習慣をしっかりと定着させたいなら、行動の順番を書き出してみよう。
つまり「朝のコーヒーをカップに注いだら、ゆっくり3回深呼吸」が次の目標だ。
こうすれば、すでに習慣になっているルーチン(朝のコーヒーをカップに注ぐ行為)が、新しい習慣(深呼吸3回)のリマインダーとして機能する。
03 脳に習慣を記憶させるように意識する。
ときめきの感覚が、脳に新しい習慣を記憶させてくれることはわかっている。だが、この感覚の獲得を運任せにしてはいけない。自分の感情をうまく操り、意図的にときめきの感覚が生み出せば、習慣化もさらに促進できる。
「うまく自分を褒めれば、たった数日間でも習慣化が完了できる」
脳にときめきを感じさせる方法は人それぞれだ。タイガー・ウッズみたいなガッツポーズを決めてときめきを感じる人もいれば、大好きなテーマソングに合わせて踊るのが効果的な人もいる。だが、大半の人に有効なのは、「やった!」「この調子!」といった自分自身への祝福だ。いろんなスタイルを試して、自分らしい祝福の方法を見つけてみよう。例えばバーピーを習慣にしたかったら、最後のジャンプの後でガッツポーズをしながら「やった!」と声に出すことに決める。うまく自分を褒めれば、たった数日間でも習慣化が完了できる。

継続が難しい場合は、もっと小さな習慣にしてみよう。あるいは組み合わせる毎日のルーチンを変えてみる。自分を褒める儀式に無理を感じる場合は、心がときめく別の方法も模索してみよう。
すぐに定着する習慣もあれば、時間のかかる習慣もある。少し試してみた結果、習慣化が必要ないと気付くこともあるだろう。それもまたOKだ。計画を変えて、新たに考えた習慣に集中すればいい。実践を積むほど、自分の行動を自在に変えられるスキルが身に付いていくはずだ。
BJ・フォッグ博士は、スタンフォード大学の行動デザインラボの創設者。
Tiny Habits®は登録商標です。
