前腕の筋力アップに最適なエクササイズ

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前腕のエクササイズをフィットネスのルーチンに取り入れることは、全身の筋力アップに欠かせません。その理由をエキスパートが解説します。

最終更新日:2022年8月30日
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前腕の筋力アップに最適なエクササイズ

両腕の効果的な筋力アップを目指してトレーニングのプランを立てるときに特に注目すべきなのは、上腕二頭筋と上腕三頭筋の2つだ。 優れた前腕の筋肉は、運動のパフォーマンス面で重要な役割を担っており、特にテニス、野球、ゴルフといったスポーツには欠かせない。 前腕のエクササイズが極めて重要であるのはそのためだ。

「前腕が力強いとは、つまり、握力が強いと考えることができます」と話すのは全米スポーツ医学アカデミー認定パーソナルトレーナー(NASM-C.P.T.)であるオーチョ。「握力が強いとより多くの筋肉と連携し、プレー中にさらに大きな力を生み出すことができるようになります」と語る。

多くのスポーツで、前腕は「あなたが行うあらゆる動作のつなぎ目となるもので、コントロールの役割を果たす重要なパーツです」と述べるのはアルバート・マシーニー (管理栄養士、認定ストレングス・コンディショニングスペシャリスト)だ。 「前腕の力が弱ければ、思い通りにコントロールすることはできません」

マシーニーは、自分の腕をムチだと考えるように勧めている。 「力を出すためには、その力をどこかからひき出すことが必要です」とマシーニーは語る。 上腕二頭筋を含め、前腕の力が強ければ、スポーツをしているときに、より多くの力を手に届けることができるとマシーニーは話す。

また、マシーニーによると、たとえばテニスをプレーするときに、前腕の筋力が強ければ、簡単にボールを打ち返したりラケットを動かせるようになり、理想のショットに近づけるという。 前腕の力が強ければ、ロッククライミングでは自分を引き上げる力が強まり、ローイング、野球、ゴルフでは「効率的に力を伝える」ことができるとマシーニーは語る。

前腕の筋力を強化するためには、この筋肉群に焦点を当てた特定のワークアウトを行って、最大の効果を得ることが必要だ。 そのことを念頭に置いて、これから紹介する最適な前腕エクササイズと、それを生活の中に取り入れる方法を確認して欲しい。

前腕の筋肉とは?

前腕とは、肘から手首までの腕の部分を指す。前腕には、橈骨と尺骨という2つの骨と、前腕屈筋と前腕伸筋という2つの筋肉群がある。 各筋肉群には合計で20種類の筋肉がある。

前腕の筋力の確認方法とは?

活発な身体的活動や、上半身のエクササイズを行っている人であれば、前腕は「自然と鍛えられている」と話すのはマシーニーだ。 「重量挙げをしているときは、通常、前腕も一緒に使っています」とマシーニーは述べる。 「あらゆるスポーツやアクティビティで、前腕が鍛えられています」

しかし、だからといって力強い前腕が手に入るわけではない。「腕のエクササイズ中に、時間と共にグリップ力が弱まったり、グリップできなくなる場合や、ウエイトを持てなくなるような場合は、前腕が弱いというサインです」とマシーニーは話し、

オーチョもこれに賛同している。 アクティビティ中に、「前腕や手首が弱い人は、前腕の筋肉群に真っ先に疲れが出てきます」とオーチョは語る。 さらに、その結果として、「前腕の筋力が弱い人は、体のその他の部分の筋肉を鍛える能力も低くなる」とオーチョは指摘します。たとえば、スクワットを行うときに前腕にケトルベルの重さを支えられるだけの力がなければ、負荷をかけない自重スクワットを行うしかなくなる。

前腕の筋力を鍛えるために適したエクササイズとは?

繰り返しになるが、腕のエクササイズを行うときは、通常、前腕も鍛えられている。 しかし、特に前腕の筋力を鍛えたい場合に行う、前腕のエクササイズもあると専門家は話す。

  1. 1.ボールスクイーズ

    このエクササイズはシンプルで、初心者に適している。 片手にテニスボールを持ち、前方に腕を伸ばすか、肘をついた体勢になり、ボールを強く握る。 少しの間握ったままでホールドし、力を抜く。 この動作を繰り返す。 このエクササイズでは、ボールを強く握る時間を長めにしたり、強く握ったり力を抜いたりを素早く切り替える「スピード」ラウンドを行うなどの、バリエーションを追加することもできる。

  2. 2.バーベルリバースカール

    足を腰幅に開き、背すじを伸ばして立つ。 両手にダンベルを持って、手のひらを下に向ける。 ダンベルは太ももの位置からスタートして、肘を曲げて持ち上げる。 ホールドしてからダンベルを下ろし、元の位置まで戻す。

  3. 3.ファットグリップバイセップカール

    ダンベルのグリップを「太め」にすることで、通常のグリップよりも前腕や上腕二頭筋を働かせることができると説明するのはオーチョだ。 グリップを太くするために、ダンベルのハンドルに小さなタオルを巻いてもよい。

  4. 4.リストローラー

    リストローラーとは、持ち手にコードまたはロープが取りつけられた特別な器具で、巻き上げたり下げたりすることができる。 一般的には、コードまたはロープの先にウエイトを付けて使用する。 使用の際は、持ち手を握って、体の前にまっすぐ腕を伸ばす。 それから、ゆっくりと巻き上げたり下げたりして、コードを上下させる。

  5. 5.バトルロープ

    バトルロープは、上腕二頭筋(および、その他多数の体の部位)に効果があるのだが、前腕を鍛える目的で使用することもできる。縦方向や横方向のウェーブや、リバースカールスタイルの動きで、前腕を集中的に鍛えよう。

  6. 6.ファーマーキャリー

    このエクササイズは、ジムでウエイトを使って行うこともできるが、自宅の近くで買い物袋を持っている時でも行うことができる。 ダンベルまたは重い袋を両手に握ってまっすぐ立ち、肘を軽く曲げる。

  7. 7.タオルプルアップ

    通常のプルアップも前腕に効くが、タオルプルアップは前腕をより集中的に鍛えることができる。 タオルプルアップを行うときは、まずタオルをバーに掛けて両端を垂らす。 タオルの両端をそれぞれの手でつかんで手のひらを内側に向け、「通常の」プルアップのように肘を曲げて体を持ち上げる。 頂上で少しの間ホールドし、ゆっくりと降りる。 この動作を繰り返す。 初心者は、通常のプルアップを行うか、アシスト付きのプルアップを行っても効果がある。

    オーチョは、ダンベルや他のウエイトを使って前腕のエクササイズを行うときは、「ゆっくりスタートして、(より重い)ウエイトに進んでいけるように」徐々に慣らしていくことを勧めている。

前腕のエクササイズを行う頻度は?

前腕のエクササイズは、ジムのワークアウトで集中的に取り組むようなものではない。

前腕のエクササイズに固執したり、ジムで何時間も前腕をトレーニングする必要はないとマシーニーは強調する。 「自分の限界に挑戦するために、もっと有効な他のエクササイズがあります」とマシーニーは語る。

しかし、前腕の筋力を向上させたいのであれば、こうしたエクササイズは毎日でも行って良いと語るのはオーチョだ。 「ソファーに座ったままでも取り組むことができますから」とオーチョは話す。 「とても簡単です」

文:コリン・ミラー

前腕の筋力アップに最適なエクササイズ

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公開日:2022年7月22日

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