パーソナルトレーナーが教える、ワークアウトに加えたい「背筋を鍛えるダンベルワークアウト」3選
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背筋トレーニングは、ダンベルさえあれば簡単に実践できる。 まずは、新しい動きを試してみてほしい。
背筋を鍛えたい? ダンベルさえあれば十分だ。 ダンベルを使えば、簡単に効果を上げられる背筋ワークアウトができる。 体の背中に的を絞ったシンプルで効果的なエクササイズを紹介しよう。 数種類の背筋エクササイズを選んでサーキットスタイルのワークアウトを行うことで、ジムでも自宅でも最高の効果を引き出すことができる。
背筋の強化が重要な理由
「力強い背筋は強い体の基礎になる」と、ナッシュビル在住のNASM認定パーソナルトレーナー、ビアンカ・ヴェスコは語る。 「背筋を鍛えることで姿勢が改善され、体全体の安定性が増し、老化による痛みやケガの予防につながります」。背中の筋肉が弱いと、椅子に長時間(仕事中ずっと)座っている場合、脊椎の可動性が低下して、「ひどい痛みが生じたり、将来的には機能障害につながるおそれがあります」と、ヴェスコは指摘する。
背筋を強化すると、運動機能が高まり、生活の質が向上すると、NASM認定パーソナルトレーナーであり、Blink Fitnessの主任パーソナルトレーナーであるエレン・トンプソンは言う。「トレーニングプログラムに背筋中心のトレーニング日を設けたり、数種類の背筋エクササイズを組み込んだりするかどうかで、強い肉体を得られるか、理学療法士の世話になるかの違いが生まれます」
背筋ワークアウトにダンベルを使用する3つのメリット
1.可動域を広げることができる。
バーベル、ケーブルマシン、プレートロード型ストレングスマシンは、いずれも自然な可動域が制限される、とトンプソンは指摘する。 例えば、バーベルを使ってベントオーバーロウを行う場合、バーベルが許容する範囲、つまり胸郭の位置までしか腕を動かすことができない。 「でも、ダンベルの場合、好きなだけ体を起こせるので、広背筋を直接鍛えることができます」と彼女は言う。 つまり、より広い可動域で筋肉を鍛えられるということである。
2.安定性を鍛えられる。
「ダンベルは他の何かに固定されておらず、『自由に』移動できる。つまり、安定してダンベルを動かすには、ケーブルマシンを使う場合よりも体への負荷が高いのです」と、ヴェスコは説明する。 その結果、体幹と背中の小さな安定筋を動かすことになり、体全体の強度と安定性の向上につながる。 他のワークアウトに必要な筋肉も鍛えられ、日常生活での体の動きがスムーズになる。
こうしたエクササイズは、関節周辺の安定筋の発達と強化に効果があり、「正しく実践すれば、ケガの予防とパフォーマンス向上の効果があります」と、トンプソンは語る。
3.便利で収納に困らない。
ダンベルは、収納するときも利用するときも場所を取らない。 「ジムが混雑している日でも、空いている場所に持って行って必要な動きを実践することもできます」と、トンプソンは語る。
自宅にダンベルを用意しておけば、すぐにワークアウトができるので移動も不要になる。
ダンベルによる背筋ワークアウト3選
ダンベルによる効果的な背筋ワークアウトは、背中の筋肉を異なる角度から鍛える優れたエクササイズで構成される。 ここでは、ヴェスコとトンプソンがダンベルを使ったお気に入りのエクササイズを紹介する。
1. ベントオーバーロウ
「ベントオーバーロウをやると、背中の上部と下部、臀筋、ハムストリング、広背筋、肩が鍛えられます」とヴェスコは語る。
ベントオーバーロウは、体幹の安定性に効果があるとトンプソンは指摘する。
方法:まず足を肩幅に開いて立ち、両手にダンベルを持ち、腕は体の横に置き、膝を軽く曲げる。 上半身を腰の位置まで倒し、床と平行にするか、できる限り床に近づける。 両腕を床に向けて伸ばし、手のひらは内向きに。 ゆっくりとダンベルを胸の方に引き上げ、そのまま肘は体の横を通過させ、肩甲骨の間が狭まるまで背中側に引き上げる。 ダンベルを下ろして、元の位置まで戻す。
適当な重さのウェイトで、この動作を8回、3セット繰り返す。
2. ダンベルリバースフライ
「このエクササイズは姿勢の改善に効果があります」とトンプソンは語る。 このエクササイズでは、肩の後ろ側、僧帽筋(首の付け根から肩にかけて広がる大型の筋肉)、そして菱形筋(肩甲骨の下側)を鍛える。
方法:まず足を肩幅に開いて立ち、両手にダンベルを持ち、腕は体の横に置き、膝を軽く曲げる。 上半身を腰の位置まで倒し、床と平行にするか、できる限り床に近づける。腕は下に垂らす。 肘を少しだけ曲げて、肩甲骨の間を狭め、体の両側で腕を持ち上げる。 ダンベルを下げるときはゆっくりと。
やや軽めのウェイトで、この動作を12回、3セット繰り返す。
3. オーバーヘッドファーマーズキャリー
「このエクササイズは背中全体、肩、肩甲骨の安定筋を活性化します」とヴェスコは説明する。 「しかも、コアワークにもなります」
方法:両手にダンベルを持つ。 ダンベルを肩まで持ち上げ、そのまま頭上に。腕は天井に向けて伸ばし、手のひらは内側を向ける。 肩に力を入れず、その姿勢を保つ。 ダンベルをぐらつかせずにゆっくりと前に歩く。肩が耳に当たらないよう注意する。
やや重めのウェイトで、この動作を60秒、3セット繰り返す。
ダンベルによる効果的な背筋ワークアウトの作成方法
ここまで、ダンベルによる背筋エクササイズを紹介した。次は、それらを組み合わせてワークアウトを構成しよう。 背筋エクササイズを実施する方法を紹介しよう。
「背筋サーキットでのお気に入りはスーパーセットです」とヴェスコは言う。 スーパーセットとは、重い負荷のエクササイズと軽めの負荷のエクササイズを交互に行うことだ。
「3つのエクササイズを連続して行うトライセットもあります。その場合は3~5セット実行しましょう」。 標準的なサーキットでは5つか6つのエクササイズを組み込むが、今回は3つのエクササイズを行うミニサーキットワークアウトだと考えよう。
目標、使えるダンベルの数、体の状態に応じて、両腕ではなく片腕ずつ鍛えてもよい、とヴェスコはアドバイスする。 「片側ずつのトレーニングをやる場合、体幹への負荷が増すのでバランスや安定性が改善します」と付け加える。
「ウェイト、回数、プログラム構成は、使えるウェイトの数や個人的な目標によって異なります」 一般的に、筋力を強化するならば、重いウェイトで反復回数を減らし、筋肉のスタミナを強化するならば、軽いウェイトで反復回数を多くする、とのことだ。
全米エクササイズ&コンディショニング協会の推奨事項によると、適切なウェイトと反復回数が、効率的な目標の達成に一番効果がある。 例えば、筋力を付けたければ、負荷を大きくして反復回数を減らす。 筋肉のスタミナを付けたければ、負荷を軽くして反復回数を増やせばよい。
文:エイミー・マーツラナ・ウィンダール