いつものフィットネスに取り入れたい、5つの体幹エクササイズ
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最もおすすめの体幹エクササイズと、健康維持には腹筋のトレーニングが大切である理由を、2人の認定パーソナルトレーナーに聞いた。
強い体幹がもたらすメリット
体幹エクササイズのメリットは、大別すると、美しいボディづくりと身体機能向上が挙げられる。 クロスフィットのレベル1トレーナーであり、ACE認定パーソナルトレーナーとしても活躍するマイケル・ジュロームによると、ボディメイクの観点では、体幹トレーニングをすれば引き締まった体幹を作ることができ、特にシックスパックを形成する腹直筋が鍛えられるという。
また、強い体幹は背骨を守る力があり、上体を起こす、長時間立ったままでいる、歩く、食料品を運ぶ、芝刈り機のスイッチを入れる、子どもを抱き上げるといったさまざまな日常動作でも重要な役割を果たしている。そうジュロームと口をそろえるのは、ISSA認定パーソナルトレーナーのジャスティン・アグスティンだ。
体幹が鍛えられていれば、バランスの崩れや、体が通常とは異なる動き方をする代償動作を防ぐこともできる。
「体幹の筋肉が鍛えられていないと、支えきれなかった負荷に耐える代償動作が他の箇所に発生します。さまざまな部位に、妙な疼きや痛みが起きるでしょう」と、アグスティンは説明する。 そうなれば腰痛、姿勢やバランスの崩れ、安定感の欠如、長く立てなくなるといった現象が起きることがある。
さらには立ったり、重いものを持ち上げたりといった日常的な動作が難しくなるため、ケガのリスクも高まるようだ。
トレーナーのおすすめ体幹エクササイズ5選
1.アブドミナルバキューム
ジュロームの説明では、この体幹トレーニングは腹筋の内側の深層筋である腹横筋をターゲットにしているため、背骨を安定させる効果があるという。 途中で背中を反らす必要があるため、正しく行うにためには練習が必要だ。 コツをつかむまでは、小さなクッションで腰のあたりを支えるといいだろう。
- 地面に仰向けに寝る。
- 息を吸い、吐ききったら、お腹をへこませながら肋骨側へ引き込んでいく。
- その姿勢を5秒間保ったら、息を吸う。
- 10~12回を1セットとして、この動きを2~3セット繰り返す。
2.バードドッグ
アグスティンによると、バードドッグは体幹の前後の筋肉を鍛えるうえでかなり有効なエクササイズで、 バランスと安定性の向上にも効果があるという。
- まずは手と膝を床につける。このとき、肩の真下に手首、お尻の真下に膝が来るようにする。
- 片方の腕を前に伸ばし、反対側の脚を後ろに伸ばして、指先からつま先までが一直線になるようにする。
- 腹筋を効かせたまま、ゆっくりしゃがむような動きをして、伸びていた肘と膝を合わせる。
- 腕と脚をもう一度伸ばして、10回繰り返す。
- 左右を入れ替えて、合計3セット繰り返す。
3.プランク
体幹を鍛えるのに最適なエクササイズを挙げるとすれば、絶対に欠かせないのがプランクだ。 「プランクはシンプルですが、非常に効果的な体幹エクササイズです」と、アグスティンは言う。 「体幹の筋肉全体に効果があるだけでなく、胸や肩、腕などの筋肉群も鍛えてくれますよ」
- まずは手のひらとつま先を床につけ、うつ伏せになる。 体が地面と平行になるように、前腕で体を押し上げる。 背中、首、腕をまっすぐに保つ。ただし、肘を固定しすぎないように気をつけること。
- 腹筋に力がかかっていることを確認しながら、プランクの姿勢をキープする。
- できるだけ長い時間、プランクの姿勢を保つ。 「体が疲れてきた時点でセットを終えてください。 体をまっすぐに保つことができなくなり、肩が落ちはじめたら、そのセットは終了です」とアグスティン。
- セットが終わったら、10秒休む。 これを3~5セット繰り返す。
プランク中は、呼吸を忘れないようにすることが大切だ。 「鼻から息を吸い、横隔膜まで深く息を入れ、口から息を吐きます」と、こちらもアグスティン。 「このように呼吸をしている間も、体幹と腹筋は引き締めておきましょう。
お腹を殴られかけて、身構えている状態をイメージしてください。腹筋に力を込めますが、呼吸は続けます」
ただし、高血圧を患っている場合は、プランクなどの等尺性運動(静止して緊張状態を保つ運動)は避けるべきだという。 判断がつかない場合は、まず医師に相談しよう。
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4.クランチ
基本のクランチは、腹筋を重点的に鍛えられる、大切な体幹強化エクササイズだ。さまざまなスキルレベルに適した運動で、何よりも、わかりやすい結果が出るという利点がある。
- 仰向けになったら、足の裏を地面につけ、膝を腰幅に開いた状態で、脚を直角に曲げる。
- 両手を後頭部に当て、両肘を横に広げる。
- 筋肉に力を入れ、両肩を地面から浮かせて、肋骨の底のあたりで上体を曲げる。 首はニュートラル(前過ぎず、後ろ過ぎない位置)に保ち、顎が胸に触れないようにする。
- 15~30回を1セットとして、一連の動きを3~4セット繰り返す。 クランチは規則正しく、ゆっくりと、コントロールしながら回数をこなすよう、ジュロームは勧めている。 ここでは、速さは目標ではないからだ。
5.ダンベルサイドベンド
体幹の両サイドも、忘れずに鍛えよう。 「シングルサイドベンドは、肋骨から骨盤の上にかけて斜めに伸びている、斜紋筋を鍛えることができます」とジュロームは言う。
このエクササイズには、軽いダンベルかほどほどの重さのダンベルを使う。 ジュロームによれば、15~20回繰り返せるくらいの重さが最適なようだ。
また、ダンベルは1つだけ使うのがポイントだという。 両手にダンベルを持つと、体のバランスが保たれてしまうため、体幹エクササイズとしての目的を果たすことができない。
- 片手にダンベルを1つだけ持つ。
- 脚をまっすぐ伸ばし、足を肩幅に開いて立つ。 ダンベルを持っている側の手のひらが、太ももに向くようにする。
- 腰から下を動かさず、ダンベルをできるだけ体から離した状態で、ゆっくりと体を横に曲げる。 このとき、曲げている側の筋肉を絞るようにする。
- 初めの姿勢に戻る。
- ダンベルを反対側に持ち替えて、同じ動作を繰り返す。各サイド15~20回を1セットとして、3セット繰り返す。
文:ジェシカ・エストラーダ