ハイキングに最適なブーツの選び方
購入ガイド
適切なハイキングブーツを履いて、大自然のトレイルを楽しもう。
ハイキングは多くの人々が楽しむ人気のレクリエーションだが、その形は人によってさまざまだ。平坦な道を歩き、絵のように美しい景色を楽しむ気軽なハイキングもあれば、山頂を目指し、垂直に近い山道を登るハイキングもある。 ハイキングに出かける先々で、木々や野生生物、巨大な岩などを目にするだろう。 どのようなトレイルを歩くにしても、装備には、歩行中に足を快適にサポートする適切なハイキングブーツが必要だ。
違いはカットに
ハイキングブーツと一般的なシューズの決定的な違いはカットにある。 カットとはブーツの丈のことで、かかとから履き口までの高さを指す。 丈によって足首のサポート性が異なるため、挑戦したいトレイルのタイプに合わせて選ぶとよい。
- ローカットブーツ
足首のすぐ下までの丈で、トレイルでのウォーキングに適している。 日帰りハイキングや、なだらかなトレイルにぴったりだ。 サポート効果はあまり高くないため、起伏の多い地形や傾斜のきつい山道は避けた方がよい。 悪天候時のハイキングにも不向きだ。
ローカットブーツは、晴れた日に美しい森を通り抜けたり、花々が咲き誇るゆるやかな坂道を歩いたり、海岸に沿って砂浜を歩いたりするハイキングに適している。
- ミッドカットブーツ
足首がちょうど隠れるくらいの丈で、サポート性が高い。 バランスと安定性にも配慮したデザインであるため、難度の高いトレイルにも挑戦できる。
低めの山の散策やハイキングをはじめ、バックパックを背負って自然の中を歩く本格的なトレッキングにも適している。
- ハイカットブーツ
すねの低い位置まで丈があり、ハイカーが求める最高レベルの機能を備えている。 脚の下部までしっかり覆い、尖った石やとげの多い植物、さらに蛇など、トレイルで遭遇する危険から足を保護してくれる。 3種類のカットのうち最も重量があり、足を暖かく保つため、寒い天候や雪の日でもハイキングを楽しめる。
万年雪に覆われた高山地帯のトレイルに頻繁に挑む、筋金入りのハイカーにもおすすめだ。
日帰りハイキングに最適なハイキングブーツ
気持ちよく数時間のハイキングを楽しみたいときに必要なのが、日帰りハイキングに適したブーツ。 足をしっかりサポートするミッドカットやハイカットのブーツがそろっている。 丈は好みで選べばよいが、バックパックを背負ってハイキングをする場合は、丈が高めのブーツがおすすめだ。
履いたときに重すぎないものを選ぼう。 スプリットグレインレザーのような、軽量で通気性に優れた素材を使用しているものがよい。 ただし、必ずしも本格的なハイキングブーツほどの防水性を備えているわけではない。水たまりや小川などを越えるトレイルに挑戦したいのなら、防水加工が施されたブーツを探そう。
また、硬すぎるハイキングブーツは避けるべきだ。 初めは硬いと感じても、履いて歩くほど、足になじんで動きやすくなる。 なじまないブーツは、気軽なハイキングには向いていない。
数日にわたるハイキングに最適なハイキングブーツ
より本格的なハイキング(数日かけて踏破するハイキング)に挑戦したいなら、バックパッキングブーツが必要だろう。 このタイプのブーツは、バックパックに入れて運ぶ装備すべての重さに対応できる。
この場合もハイカットブーツを選ぶのが一番だが、足首まで包み込んでしっかりサポートしてくれるブーツを探すことが重要だ。 かなり長時間にわたって履くことになるため、サポート性に加えて耐久性も欠かせない。
バックパッキングブーツは、フルグレインレザーを使用したものが望ましい。 フルグレインレザーは耐久性が高いうえ、耐水性も優れている。 長時間の使用や重い荷物に耐えられるデザインで、どのような地形でも問題なく歩ける。 このタイプのハイキングブーツは、スニーカーのような軽さや通気性の良さは感じられないだろうが、トレイルを楽しむのに必要な機能を備えている。
また、数日にわたるハイキングには、頑丈なミッドソールを備え、足を安定した状態に保つブーツが最適だ。 つまり、硬めのブーツがよいということ。 石や木の根を踏んでも、足を安全に保つことができる。 柔らかめのブーツを履くと、このような障害物を何度も踏むうちに、足が疲れてしまう可能性がある。
適切にフィットしているかどうかを確認するには
どのタイプのハイキングブーツを選ぶにしても、適切にフィットしていることを確かめることが重要だ。 シューズのサイズを把握することは、その第一歩に過ぎない。 次の点に注意しよう。
- ブーツの試着は、足が最も大きくなる一日の終わりの時間帯にすること。
- ハイキングで履くものと同じソックスを履くこと。たいてい通常のソックスより厚手だ。
- ブーツを履いて少し歩いてみること。売り場の通路より長めに歩いてみよう。 自宅でブーツを試着する場合は、階段を上り下りしてみること。さまざまな動きをしたときの履き心地を確かめよう。
覚えておくべきことがもう1つある。購入時の履き心地の良し悪しにかかわらず、多少履き慣らす必要があるということだ。 履き慣らすには、まず短めのゆるやかなトレイルを歩くのが一番。 足が痛くなる不安に襲われることなく、ブーツを足になじませるのに好都合だ。
トレイルでのハイキングとランニング
ハイキングに出かけると言っても、ブーツは必要ない場合もある。 起伏に富んだ地形を走るのが好きなら、トレイルランニングシューズが最適と言えるだろう。 トレイルランナーは、ブーツではなく、地面の変化に対応して優れたトラクションを発揮するハイキング用のスニーカーを選ぶとよい。
クッション性に優れ、硬めの構造に作られたシューズも適している。 防水加工が施されたシューズなら、水たまりやぬかるみに入っても足をさらりとした状態に保てる。 歩く場合でも、日帰りハイキングには、ハイキングブーツよりもトレイルランニングシューズの方が向いているかもしれない。 ただ、長時間にわたる冒険を計画しているのなら、ブーツを選んだ方が無難だろう。
自分に最適なハイキングブーツ
ハイキングブーツには多様なオプションがあることがわかっただろう。さて、どんなハイキングに出かけたいだろうか。 自然の中を快適に一日歩くための機能に着目すれば、どのようなトレイルでも、踏破するのに最適なハイキングブーツを絞り込めるはずだ。