パーソナルトレーナーが教える、上半身を鍛えるための腕のワークアウト5選
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パーソナルトレーナーより、けがの防止や、筋力の大幅な増強にベストな腕のワークアウトをご紹介。
腕のワークアウトには、日常の動作が楽になるだけでなく、上半身の筋肉が鍛えられて姿勢が改善するなど幅広いメリットがある。
「腕のワークアウトは新陳代謝率の向上を助け、適切な食事療法を組み合わせれば体脂肪を減らすことにもつながります」と語るのは、NASM(全米スポーツ医学アカデミー)認定のパーソナルトレーナー兼パフォーマンスコーチであり、ロサンゼルスのMind in Muscle Coachingの創設者でもあるキース・ホッジス氏だ。
言うまでもなく、腕のワークアウトは、けがの防止という点でもきわめて重要な役割を果たす。 「定期的な上半身のワークアウトによって筋肉と骨が強くなります」と語るのは、ACE(米国運動協議会)認定のパーソナルトレーナーであるステファニー・トーマス氏。「転んでも、大きなけがをするリスクが低くなります。」
以下に、ホッジス氏とトーマス氏がベストな腕のワークアウトと考える5つの運動を紹介する。 これらのエクササイズは、上腕二頭筋(腕の表側)、上腕三頭筋(腕の裏側)、前腕などの腕のさまざまな部位、さらには、胸や肩などその他の主要な上半身の筋肉をターゲットとするものだ。
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トレーナー公認の腕のワークアウト5選
1.バイセップ カール
定番のバイセップカールは、腕のワークアウトの中でもベストワンに挙げられるものだ。それには十分な理由がある。 ホッジス氏によれば、この運動は上腕二頭筋の筋力を高め、筋肉量を増やすとのこと。
まず、足を肩幅に開いて立つ。 「肩をリラックスさせ、ダンベルまたはバーベルを持つ際には肘を肋骨に近づけたままにします。 息を吐きながらウェイトを肩に向けて引き上げます。この時、上腕二頭筋を完全に収縮した状態にすることを忘れないでください。 次に、息を吸いながらバーベルまたはダンベルを最初の位置まで下げます。」(ホッジス)
ホッジス氏は、動作の間はつねに体幹に力を入れ、正しいフォームを保てるよう、重すぎないウェイトから始めることを勧めている。
2.スパインチェストフライ
上腕二頭筋(上腕の表側)、胸郭上部、肩の前側をターゲットにするには、腕のワークアウトメニューにスパインチェストフライを組み込むといいと、トーマス氏は勧める。
ヨガマットかジムマットを敷き、仰向けで横になったら、 膝を曲げて足の裏をマットにつける。 両手にダンベルを1つずつ持ち、 ダンベル胸の上に持ち上げ、両手の手のひらが向き合うようにする。
そして、「まず、ダンベルが胸と水平になるまで、弧を描くように地面に向けて下げていきます。 最初の位置に戻るまで両腕をゆっくりと上げ、胸の上で両手の手のひらが向き合うようにします。」(トーマス)
3.ディップス
ディップスも腕のワークアウトとして優れており、上腕三頭筋の筋力を高め、筋肉量を増やすことができるとホッジス氏は言う。 このエクササイズは、ディップバー、ベンチ、椅子、またはアシスト付きディップマシンを使って行う。
正しいフォームを保つために、「つねに体幹に力を入れ、息を吸いながら体を下げ、肘を45度から90度曲げてください。 息を吐きながら体を持ち上げて、開始位置に戻ります。」(ホッジス)
ベンチまたは椅子を使ってディップスを行う場合のポイントとしてホッジス氏が挙げているのは、両腕が肩幅に開いている状態を維持し、両手の指が前を向くように手のひらをついて行うこと。
ディップバーやアシスト付きマシンでディップスを行う場合、両腕を肩幅に開くのは変わらないが、手のひらは自分の方に向ける。
どちらの場合でも、肩の筋肉と腱(回旋腱板と呼ばれる)へのダメージを避けるために、エクササイズ中は正しい肩の位置を維持するように気を付ける。
4.アップライトロウ
この運動は、三角筋(主要な肩の筋肉)や僧帽筋(上背部)など、肩を形作る筋肉に焦点を当てたものだ。 トーマス氏によれば、アップライトロウはこの部位の筋力を高め、見た目もかっこ良くするための簡単かつ効果的な方法だ。
「これらの筋肉に働きかけるワークアウトによって、肩周辺の筋肉が付き、がっちりした彫刻のような上半身を作れます。 また、これらの筋肉を鍛えれば、日常生活の中で何かを引っ張ったり、持ち上げたりする動作も楽になります。」(トーマス)
このエクササイズでは、まず足を肩幅に開いて立ち(このポーズが、このワークアウトの名前の由来)、両手にダンベルを持つ。 手のひらは太ももに向ける。 次に、ゆっくりとダンベルを上に引き上げる。その間、ダンベルが体から離れないようにする。 肘が胸の高さまできたら、ダンベルをゆっくりと開始位置まで下げていく。
5.リストフォアアームカール
前腕が細いなら、前腕の筋肉を増やして握力を高めるために、ワークアウトメニューにリストフォアアームカールを加えることをホッジス氏は勧めている。 「前腕は、あらゆるリフト系エクササイズやレジスタンス系エクササイズで大きな役割を果たします。 握力が強くなるほど、より重い負荷を動かせるようになり、より長い間筋肉を緊張させられるようになるので、重要なエクササイズです。」(ホッジス)
言い換えると、前腕を強化することは、他のエクササイズ、特に上腕二頭筋など、腕の他の部位をターゲットにするエクササイズを行う上で不可欠ということだ。
この腕のワークアウトは、座って行ったり、膝をついて行ったりと、いろんな姿勢で取り組める。また、片方の腕ごと行っても、両腕を同時に行ってもいい。
「座って、ダンベルを片手で1つ持つか、両手で2つのダンベル持ちます。その際、手のひらは上に向けます。 腕を足の上に置き、前腕だけを動かすようにしましょう。」(ホッジス) 膝をついて行う場合、前腕をベンチの上に置く。 「息を吐きながら手首を体に向けて巻き上げます。 筋肉に力を入れてから、息を吐きながらダンベルを開始位置まで下げます。」
文:ジェシカ・エストラーダ