エクササイズ スナッキングの効果
Coaching
スナック菓子を食べるように、10分以内の手軽なワークアウトに取り組むことで、柔軟性や大きな成果が手に入る。
- 正しく行えば、ごく短いワークアウトでも健康面や体調面におけるメリットをふんだんに得られる。
- 限られた時間で効果を発揮できるよう、複数の動きに全力で取り組もう。
- 短いセッションで汗を流すこともメンタルの健康に有効的だ。
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前進するためには、必ずしも長時間のワークアウトが必須というわけではない。「エクササイズ スナッキング」と呼ばれる、ひとくちサイズのフィットネス。これを日に何度か行えば、本格的な成果につながる。よりフレキシブルなトレーニングルーティンを求めていた人には朗報だ。
明確に言うと、これは超短時間のワークアウト。1つの動きを1セット行うものから、複数の動きを素早く連続して行うものまでさまざまだが、日常的な動きは含まれない。つまり、数回の階段ダッシュは含まれるが、エレベーターの代わりに階段を上ることは含まれないということだ。
最近まで、米国や英国などで提唱されていた運動に関する公式ガイドラインでは、強度にかかわらず、成人は1回10分以上の運動を週に150分以上行うことが推奨されていた。しかし、短時間の運動でも効果があることを示すデータが増え、その10分間ルールは過去のものとなった。
「連続10分間以上の運動が必要だという証拠は見つかりませんでした。1日を通して散発的に運動することでも、健康上のメリットが得られます」と語るのはウィリアム・E.・クラウス医学博士 (デューク大学センター・フォー・リビング、臨床解釈ディレクター)。博士は、短時間の運動を行うことによる長期的な効果の研究を続けている。
エクササイズのタイプが重要な理由
心血管系に関しては、短いワークアウトがフルで行うワークアウトの代わりになることはないだろう。研究によると、有酸素運動能力を発達させるには、心血管系に持続的な負荷が必要になるため、10分間の運動を1日に3セット行っても効果はないと言える。「非常に長いリカバリー時間がある場合、心拍数は一時的に上昇しても、比較的すぐに低下します。つまり、このような間隔を開けた心血管系のトレーニングはそれほど役に立ちません」と言うのは、この研究を主導したマーティン・ギバラ博士 (オンタリオ州マクマスター大学教授)。
心血管系にはそれほど効果がないが、エクササイズ スナッキングは筋肉の力と機能を高め、長期的には健康を向上させられることが研究結果に示されている。実際、ニュージーランドの研究者グループは、食事の直前に1分間の激しい運動を6セット行うと、連続した30分間の運動セッションを行った時より効果的に血糖値を制御できることを発見した。それはおそらく、強度のインターバル運動により、インスリンを管理する能力が高められるからだろう。
さらにミシシッピ大学での研究によると、超高重量の重量挙げ(1回で最大重量など)を少数回行うと、普段の重量で8-12回を4セット行うのと同等に筋力が増加することが判明した。その理由はおそらく、種類は違えど、同等の負荷を筋肉に与えたからだ。
「レジスタンスエクササイズの場合、エクササイズ スナッキングは、すべてを網羅したワークアウトとほぼ同様のメリットをもたらします」とギバラ博士は述べる。博士はジムに行けなかった時期に、自身でこの方法を使って体調を維持してきた経験がある。筋力を付けることに関しては、一日に行うワークアウトの総量が同じである限り、一度にこなしても、何度かに分散させても、身体は違いを認識しないようだ。
自分に合ったエクササイズ スナッキング
筋力や筋肉の量を維持または向上させるために、自分が使える時間に応じて最も効果的なワークアウトを実践しよう。エクササイズ スナッキング愛好家であるNikeトレーナーのジョー・ホルダーによると、それは次の2つを実践することだという。
1つ目:長時間のワークアウトよりも、短時間でハードに鍛える。全力を出し切ると、スプリント、ジャンプ、重量挙げなどの素早く強力な動きに必要な速筋繊維がより多く使われる。これを行うと、長いワークアウトのトレーニング負荷を短時間で再現できるとギバラ博士は説明する。
たとえば、ジムで10回のプッシュアップを3セット行う計画を立てていたが、何らかの理由でジムに行く時間を確保できなかったとする。そのような時は、10回のプッシュアップを3セット行う代わりに、自分ができる限界までプッシュアップを行おう。つまり、時間が許す範囲で、各セット中(正しいフォームで)できるだけ多くの回数をこなすとよいとホルダーは述べる。強度を上げるもう1つの方法は、動作をゆっくりと行い、筋肉が緊張している時間を増やすこと。こうすれば筋肉をより長い時間働かせられるため、筋力が強化される。
2つ目:複数の動きを取り入れる。腿上げ運動や、スパイダーマンプッシュアップ、スラスター(プレスを取り入れたスクワット)などを行おう。これらの運動は複数の筋肉群を働かせ、その日の短時間ワークアウトの効率を最大限に高める。
もう1つの嬉しい効果
エクササイズ スナッキングでは、長時間のセッションを行った時と同等のエンドルフィンは分泌されないかもしれない。しかし、定期的に短く爆発的な運動を行うことで、マインドセットは変えられる。そうホルダーはメリットを強調する。「前向きな習慣を身につけて、メンタル面のメリットが得ることが鍵です」これを目覚めてすぐ実践しているホルダー。「良い1日を過ごすための秘訣。それは毎日を5分間の運動で始めることなんです」
文:イアン・テイラー
イラスト:ケシア・ガブリエラ
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高負荷ワークアウトであるHIITを短時間を行う場合でも、適切なシューズが必要だ。スーパーレップ 3を履いてトレーニングして、セッションの効果を最大限引き出そう。定番のエクササイズ スナッキングを探しているなら、Nike Training Clubアプリで10分のクラスにトライ。または、Nike Run Clubで30分以下のランにチャレンジ。