ヨガインストラクターがすすめる、初心者にやさしいヨガポーズ7選
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初心者でも取り組みやすく、頭からつま先まで全身の筋力アップとストレッチに効果的なヨガポーズをご紹介。
ヨガを始めたばかりの人におすすめしたい基本のヨガポーズはたくさんある。これらは、初心者がプラクティスの土台づくりをするのにちょうどよい。 実際、どんなに経験豊富なアスリートでも、ワークアウトプランにヨガのプラクティスを取り入れるメリットは必ずある。
「ヨガを始めるにあたって、筋力や柔軟性に関する前提条件はひとつもありません」と話すのは、アルニマ・シンデオ。R.Y.T.500 の有資格者だ。
ヨガはどのようなポーズでも、その人の経験や体力、そのセッションの必要性に合わせて調整やレベルアップができるようになっている。 (関連記事:自宅でのHIITワークアウトに役立つ簡単な3つのヒント)
「どの運動レベルの人でも取り組める初心者向けのバリエーションが、すべての動きに用意されています」と話すのは、ビハール・ヨガ・バラティ(ヨガ大学)の応用科学修士、プラディープ・サットワマヤ。
プラクティスの成果をあげるには、根気よく、時間をかけてそれぞれのポーズを学ぶことが極めて重要だ。 またサットワマヤは、ケガのリスクを増大させないために、高度なポーズに段階的に挑戦することも重要だという。
だんだんヨガを始めたくなっただろうか? ここからは、初心者にやさしい7つのヨガポーズと、それぞれを確実に身につけるための詳しいやり方を紹介する。 ただし、始める前に、そのポーズが自分の運動レベルや健康目標に適したものかどうか、かかりつけの医師や有資格の医療専門家に必ず相談してほしい。
初心者におすすめのヨガポーズ7選
1.チャイルドポーズ
オンラインであれ対面であれ、多くのヨガクラスが初心者にやさしいこの休息ポーズで始まる。セッションの最中も、呼吸を整えたり他の人を待ったりするときに、何度もこのポーズが出てくる。 チャイルドポーズは背筋のストレッチにも効果的だ。
「チャイルドポーズは、長時間座りっぱなしで硬くなった筋肉をストレッチして治すのに有効なポーズです」とシンデオは言う。 「上背部、腰背部、臀部のストレッチによいだけでなく、両手を頭の上に伸ばせば肩のストレッチにもなります」
ポーズの取り方
正座をして、お尻をかかとの上に乗せ、膝はマットの幅に開く。 両腕を頭の上に伸ばし、手のひらを下に向けて、息を吐く。
次に、腕をまっすぐ伸ばしたまま、腰から上体を折って前に倒し、おなかを床に近づける。
できる人は、おでこを床につける。 床につけるのに抵抗がある場合は、ヨガブロックや毛布を置いて、そこにおでこを乗せる。
2.長座前屈
柔軟性、可動域、筋力のレベルを問わず誰でもできる長座前屈は、腰背部とハムストリングのストレスや緊張をほぐすのに役立つ。そう話すのは、医師助手と登録栄養士の資格を持ち、200時間の認定ヨガインストラクターでもあるアレクシ・テトロー。
このストレッチは、体の後ろ側だけでなく、内側にもよい効果をもたらす。
「長座前屈のような体を折り曲げる運動は、休息や消化を司る副交感神経系を優位にするため、気分が落ち着き、体の活動もゆっくりになります」とテトロー。 事実、2012年に行われたある調査では、ヨガのプラクティスに副交感神経系の乱れを整える効果があると結論付けている。副交感神経系の乱れは、ストレスによって悪化するてんかんや抑うつ症状の原因となる。
ポーズの取り方
ヨガマットに座り、脚を前に伸ばす。 お尻の位置を調節して、坐骨、すなわちお尻の内側にあるアーモンドのような形をした2つの骨の上に座る。 つま先を自分の体のほうに向けて立てる。
息を吐く。 体幹を引き締めて上体を脚のほうに倒し、手は太ももの上に軽く乗せる。 心地よければ、膝を少し曲げ、手を足先に向かって伸ばす。足首でもすねでもよい。しっかり触れて、ももの裏側や腰が少し伸びたと感じるところまで、手を伸ばそう。 ただし伸ばしすぎには注意。 痛みや強い不快感を覚える場合は伸ばしすぎだ。 膝をもっと曲げたり、手の位置を変えたりして調節しよう。
3.ローランジ
デスクワークの後などにお尻の張りを感じるときは、少し時間をかけてローランジをすると良い、とテトロー。
「ローランジは、お尻と股関節屈筋をしっかり伸ばして股関節の可動域を広げるポーズです」
少し難しいバージョンも、胸を開き、下腹部の筋力を鍛えるのに効果的だという。
ポーズの取り方
足を腰幅に開いて立つ。 上体を前に倒し、膝を適度に曲げて、手のひらを足の外側の床につける。 床までの距離が遠すぎてつらい場合は、足の外側にヨガブロック(または本を積み重ねたもの)を置いて調節するとよい。
片足が床にしっかりついた状態で、反対側の脚を後ろに引く。 後ろに引いた脚で床を強く押して、筋肉に力を入れ続ける。 左右のお尻の高さが同じかどうかを確認する。鏡に映る自分の姿を見るか、右手を右のお尻、左手を左のお尻に置いてみるとわかりやすい。高さに差がある場合は水平にする。
余裕がある人は、ここに胸と背中のストレッチを加えよう。 肩を落として耳から遠ざける。 左右の僧帽筋(肩から背中のあたり)を引き寄せるイメージで、胸を開く。
足を踏み替えるために、まず両手をマットにつき、 次に後ろに引いた足を前の足にそろえて、それから立ち上がる。 反対側でも同じことを行う。
4.ローコブラ
ヨガクラスでおそらく一番見かけるローコプラは上体を反らせるポーズ。背中、肩、体の中心、腕の筋力アップに効果的だ。
座り仕事やうつむいた姿勢、車の運転などを一日続けて上半身に凝りを感じるときは、このポーズで肩を開くことを、テトローはすすめている。
ポーズの取り方
腹ばいになり、つま先を伸ばす。 肩の真下に手をつき、肩を体の後ろ側に開く。
骨盤と脚を床につけたまま、手のひらで床を押して腕を伸ばす(ただし完全に伸ばしきらないこと)。 同時に床から胸を浮かせ、胸板を自慢するように反らす。 この間、体幹はずっと引き締めておく。 肩が少しずつ耳のほうに上がっていかないよう、注意する。
5.ダウンドッグ
このポーズにはいろいろな効果がある。 たとえば、ハムストリングの緊張をゆるめる、背中の凝りをほぐす、肩を開くなどだ。
ハムストリングが硬くなっていたり腰が凝っていたりする場合は、膝を曲げないと背中をまっすぐに保てないかもしれない。 かかとが床につかなくても、気にする必要はない。繰り返しやっていれば、そのうちつくようになる。
「2、3か月もすれば、体が慣れてこのポーズができるようになります」とシンデオは言う。
ポーズの取り方
手と膝を床についてテーブルトップの姿勢をとる。このとき、肩の真下に手首、お尻の真下に膝が来るようにする。 手の指を広げ、小指でマットを押して、背中の筋肉を活性化する。
次に、息を吐きながら膝をゆっくりと伸ばして、尾骨を上に向ける。 脚が完全に伸びきらなくても問題ない。膝は必要なだけ曲げておこう。 見えない糸で上から引っ張られているかのように、腰を持ち上げる。 次に、かかとで軽く床を押して、膝から下の裏側を伸ばす。
体の中心を引き締め、視線を両手の間に定めて、背中をまっすぐにする。 その姿勢のまま、手と足で床をしっかりと押しながら、2、3回呼吸する。
6.ウォーリア ワン
これは、一度で複数の効果が得られる究極のポーズだ。 股関節を開きながら、同時に脚と体幹の筋力アップもできる。
シンデオは、このポーズを定期的にプラクティスに組み込むことで身体意識も鍛えられる、と説明する。 なぜならこれは、左右の脚をそれぞれの軸で安定させるという、集中力を要するポーズだからだ。
ポーズの取り方
ダウンドッグの姿勢をとる。 次に、片方の足を両手の間につく。この位置まで踏み出せない場合は、後ろの足からできるだけ遠い場所につき、そのあと手を使って位置を調整する。
そして、後ろの足のかかとを床につけ、つま先が45度外側を向くよう、かかとの位置を調整する。 膝と足首が同じ方向を向くよう気を付けること。関節を線路のように一直線にする。
両手を上に伸ばし、手のひらを向き合わせて、上腕二頭筋を耳に押し付ける(ただし、肩が持ち上がらないよう注意)。 この姿勢が心地よくない場合は、両手を胸の前で合わせてもいいし、腰に当ててもいい。 肩を耳から離して、姿勢をキープ。
7.コープスポーズ(しかばねのポーズ)
「コープスポーズはクラスの最後に行い、心と体を落ち着かせます」とシンデオ。 「シャバーサナ」とも呼ばれるこのポーズは、プラクティスから現実世界へと連れ戻してくれることから、ヨガクラスの中で最も重要なポーズとみなされているという。 「ハードなプラクティスの後でも疲労感を残さないための、リラックスを目的としたポーズです」
ポーズの取り方
仰向けに寝て、脚を腰幅に開き、足先を外側に開く。 腕は体の近くで伸ばし、手のひらを上に向ける。 全身の力を抜き、筋肉をマットに沈み込ませる。 自然な呼吸をして、好きなだけ長くその姿勢を保つ。
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文:ガブリエル・カッセル