体の機能に詳しくなろう
リアルトーク
スポーツにおける体の使い方よりも、自分の外見を気にしている女の子たちは多い。私たちの話し方を少し変えるだけで、アクティブに体を動かす女の子たちの思考にも変化をもたらせるはず。
人間は一人ひとり個性があり、体も人それぞれに違う。女の子たちへの話し方を変えるには、まずコーチや保護者であるあなたがあらゆる外見を受け入れて尊重し、すべての個性を称える必要がある。人の外見には、性別、民族性、性的アイデンティティ、障がい、宗教、その他の信仰や特性が現れている。つまり、誰かの外見について良し悪しを論じるのは、その人の人格までを批評しているのと同じことだと自覚しよう。
私たちの言葉はパワフルで、スポーツをする女の子たちの自己イメージを方向付ける力がある。女の子たちとのコミュニケーション方法について悩む前に、まずはあなた自身が自分の体に自信を持てているのか考えてみよう。あなた自身の体に対する意識と表現方法が、子どもやアスリートの身体イメージや表現方法にも影響を与えてしまう。だからこそ自戒しよう。子どもやアスリートの前で、自分の体や他人の体のことを否定的に話してはいけない。それが聞き手にどんなメッセージとして届くだろうかを深く想像するのだ。
自分自身の振り返りが終わったら、次はコミュニケーションだ。女の子たちと話す時には、「自分の体がどう見えるか」を語らず、「自分の体で体験できること」に焦点を移す。こうした意識の転換により、外見、食事制限、過剰なトレーニングへの傾倒を防げる。そして女の子たちが自分自身の体とのつながりを深め、パフォーマンスに集中できるようになるのだ。
避けるべき発言
女の子たちが外見を意識するような発言や話題は避けること。以下のような女の子同士の会話を聞いたら、疑問を呈して正しい議論へ誘導すること。
- 「きれいになったね!ちょっと痩せた?」
- 「もっとゴールが守れるよう、あなたも体を大きくしないとね」
- 「スピードを上げられるよう、贅肉を落として体を引き締めよう」
- 「少し体重を落とせば、もっと高くジャンプできるようになるよ」
- 「今日はトレーニングを頑張ったから、あのお菓子を食べてもいいよ」
- 「あんなものを食べていいと思ってるの?」
- 「私、ひどい顔してる。汗びっしょりでメイクが台無し」
- 「彼女の脚見た?ストレッチマークだらけだよ」
- 「ウェイトリフティングは必要ないと思う。あれ以上筋肉ムキムキだと、男の子にモテなくなるから」
これからできる発言
女の子の体でできることや、体験できることに意識を向けた発言と会話をすること。以下の例を見てみよう。
- 「アジリティエクササイズで、筋肉をウォームアップしよう」
- 「自分の肩の位置を考えてみて。シュートを打つ時は、肩が前を向くようにすること」
- 「頑張ったね![スキル名]が本当に上達した!」
- 「さっきのキックは本当にパワフルだった」
- 「ダンスをしている時のあなたは、本当に自由でハッピーに見える」
- 「昨日のハードな練習の後、体はどんな感じだった?」
- 「ゲームの後はしっかり食べて、体に栄養を与えること!」
- 「けがをしたくなかったら、クールダウンのストレッチを忘れないで!」
- 「あなたの体には、見た目よりもずっとパワーがある。その体で素晴らしい体験ができるし、目標だって達成できるよ」
このように会話の内容を少し変えるだけで、スポーツ文化と女の子の体に対する自信にポジティブな変化が与えられる。女の子たちの体がモノのように批評される風潮を排除し、運動、友情、競争の素晴らしさを体験できるスポーツ環境を作っていこう。
Body Confident Sportは、NikeとDoveが開発したプログラム。女の子たちが自分の体に自信を持ち、スポーツが自分の居場所だと感じられるようにサポートしている。このコンテンツは、スポーツにおける女性に関する研究をおこなうTucker Center for Research on Girls & Women in SportとCentre for Appearance Researchの協力で作成された。
全体の概要は、以下のリンクを参照のこと。