妊娠中の姿勢を改善するには

Nike (M) が登場

大きなお腹はとってもキュート。でもお腹が突き出したことで、姿勢が悪くなる問題はどうしよう?妊娠中も もっと快適な日々を送るためにはどうすればよいか。

最終更新日:2022年7月25日
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  • 妊娠中の体の変化によって姿勢が変わることで、特に腰回りの痛みが発生することがある。
  • 外股や円背、巻き肩などはすべて、普段の姿勢を見直す必要のあるサイン。
  • 体幹や上半身を鍛えることで、悪い姿勢がくせになってしまうのを防ぐことができる。


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*このコンテンツの目的は情報提供と意欲の向上であり、診断、治療、特定の医療に関するアドバイスを意図したものではありません。妊娠前、妊娠中、出産後の健康と安全の維持については、必ずかかりつけ医に相談してください。

大きなおなかを抱え、猫背で、ガニ股になりながら腰をさする妊婦。これが妊娠中の女性に対する世間一般のイメージではないだろうか。妊娠初期にはそんな変化も感動的と思えても、妊娠週数が進むにつれ、それはまさに自分の姿だと共感できるようになるかもしれない。

妊娠中に姿勢が変わるのは自然なこと。これは、おなかの成長による重心の変化と自然な体重の増加が、体の動かし方に影響を及ぼすことが一因だ。「問題は、理想的とは言えない姿勢で長期間過ごすことによって、腰の負担など厄介な問題に発展する場合があるということです」と語るのは、ブリアナ・バトルズ。アイダホ州イーグルでPregnancy & Postpartum Athleticismという教室を立ち上げた、認定ストレングス・コンディショニング・スペシャリストだ。これが、妊娠中にさらなる体の痛みを招くだけでなく、将来的な体の動きに影響を及ぼす可能性がある。

「妊娠期間中には、すべての姿勢筋に負担がかかります」と言うのは、コロラドスプリングズの骨盤専門理学療法士、ローレル・プルー博士。FEM Physical Therapyの創設者でもある。姿勢筋とは、体幹、上背、肩など、まっすぐな姿勢を保つ役割を果たす筋肉のこと。この負荷の増加を、他の筋肉がカバーする必要が出てくる。博士によると、このときに現れる姿勢の変化には以下のようなものがあり、これらすべてが不快感の原因になるという。

  • 外股:立っている時に外股(脚が広く開き、つま先が外に向いている状態)になると、腰や上半身を適切に動かせなくなってしまう。また、歩行時の自然な腕の振りにも影響することがある。
  • 円背:体幹の筋肉疲労によって円背になると、肋骨を骨盤の上に据えることができなくなり、腰痛の原因となる。
  • 尾骨の出っ張り:円背とは反対に、腰を後ろに引くことで、おなかの重さを補おうとすることで起こる。これにより、背中側の骨盤底筋が閉じて、短く、狭くなる。出産の条件としては好ましくないものだ。
  • 巻き肩:乳房の成長により、胸筋にかかる張力が増加することが原因(腕を横に揃えて立った時、手の甲が前に向く場合や、肩甲骨が外に開いている場合、または肩が前に出ているように見える場合は、巻き肩になっている)。これらは上背や首の痛みにつながる。
妊娠中に背中や腰の痛みがある場合は、 姿勢を正すことを意識しましょう

正しい姿勢に戻すには

注意すべき特徴が分かったら、自分の現在の自然な姿勢の写真を撮ってみることをバトルズはすすめている。妊娠週数が進むに従って、1日に数回姿勢をチェックして、前述したような傾向があるか確認しよう。自然に変わってくる姿勢を意識することにより、正しい姿勢に戻していくことができるのだ。

バトルズによると、これらを矯正することで、痛みを軽減するだけでなく、怪我も緩和できることがあるという。以下の手順を試してみよう。

1. 必要に応じて調整する。

もし肋骨が外に開いていて、背中が曲がり、臀筋が引っ込んでいたら、一度呼吸をして、リセットしよう。プルー博士は、次のような手順で姿勢を正していくことをすすめている。すべてが当てはまるとは限らないので、必要に応じて調整するとよいだろう。

  • 立った時につま先が外側を向いている場合は、前に向け、両足を平行に近づける。
  • 骨盤が前に押し出されている場合は、後ろに引き、腰が肩の下に収まるようにする。
  • 肩を後ろに引き、肘が胴体よりも後ろに下がり、親指が前を向いて、両手が体の横にくるようにする。

2. 習慣を変える。

ずっと同じ姿勢でいることによって、特に腰に痛みや不快感が生じる可能性が高まる、とプルー博士。研究によると、腰痛は妊娠中の女性の少なくとも半数が経験しており、日常生活での感情に影響を及ぼし、疲労の原因になるとされている。博士いわく、座ることが多い場合は、立ったり歩いたりする時間を作るようにすること。しばらく立っている必要がある場合にも、じっとするのではなく、腰を左右にやさしく揺らすことで、硬直を防ぐことができる。お気に入りの音楽に合わせて行うとやりやすいだろう。

3. 姿勢筋を鍛える。

動くとき、立つとき、さらには座るときにも、体を支える上背と体幹が重要な働きをしている。こうした筋肉のスタミナを向上させるには、目的別の筋力トレーニングが効果的だ。上背には、ベントオーバーロウなどのプリングエクササイズから始めるとよいと、プルー博士は述べている。このエリアを鍛えると、赤ちゃんを抱っこしたりする産後にも大いに役立つ(新生児の重さに慣れるには、しばらく時間がかかるだろう)。

プルー博士おすすめの体幹と持久力を鍛えるエクササイズは、ケトルベルキャリー(片手または両手にケトルベルを持って歩く)とパロフプレス(詳細はウェブ検索で調べてみよう。資格を持つトレーナーや理学療法士が指導する適切な方法を参照すること)。腰を鍛えることで骨盤が安定するが、これには普段のトレーニングにグルートブリッジやスクワットを取り入れるとよいだろう。レジスタンスバンドを使って負荷を高めるのも効果的だ。

4. 腹筋を支える。

姿勢筋の筋力トレーニングに加え、ベリーバンド(ウエストトレーナーと間違えないように)や、ハイウエストコンプレッションレギンス(快適な妊婦用のものを選ぼう)を着用することで、さらにサポートを強化できる。おなかが成長してくると避けられないことだが、腹筋の疲労時にこうしたサポーターを使用することで、日常生活の中でも胴体を腰の上に据えることができると、博士は述べている。

5. 自分に寛容になる。

悪い姿勢を把握し、矯正するのに最善を尽くしても、時折どこかに痛みを感じることがあるかもしれない。そんなときもご心配なく。妊娠中の体は常に変わり続けるもの。バトルズいわく「姿勢をすべて正しくても、症状や不快感が残ることもあります」さらに、常に背筋を伸ばそうとしたり、立ち方が「間違っている」と罪悪感を持つことで、むしろ悪影響を及ぼすこともあると指摘する。自分を責める必要はない。不都合をもたらす可能性のある今の状態を見直し、調整する必要があるというだけのこと。

今後の育児においても、このアドバイスを忘れないようにしよう。

記事:ジェシカ・ミガラ
写真:ビビアン・キム

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公開日:2022年5月19日