自宅でのHIITワークアウトに役立つ簡単な3つのヒント
スポーツ&アクティビティ
自分だけのルーティンを組み立てて、体力アップを図ろう。
健康に多大なメリットをもたらすワークアウトといえば、HIITとも呼ばれる高負荷インターバルトレーニング抜きには語れない。
たとえば、2019年に『World Journal of Cardiology』に発表された研究では、HIITの運動により、体で効率良く酸素を使えるようになるうえ、心血管系の健康リスクが下がることが示された。 また、2017年に『British Journal of Sports Medicine』に発表された研究では、HIITが血糖値、体組成、安静時心拍数の調節に役立つことがわかった。 (関連記事:ランニング中に目指すべき平均心拍数とは?)
では、セッションにどんな運動を組み込むか。そのヒントは高負荷インターバルトレーニングの名前にある。 高負荷の短い運動を、一定の間隔で繰り返す。全力でのワークアウトと短時間の休憩を組み合わせるのだ。
何から始めればよいのか見当が付かないというのなら、 ここで紹介する方法を参考にしてほしい。
1.運動と休憩の時間を決める
HIITワークアウトの魅力の一つは、短時間で効果が現れることにある。 通常、約45分-1時間と長い時間を要する定常有酸素運動とは異なり、ほとんどのHIITワークアウトは15-20分だ。 自分でセッションを組み立てるときは、簡単な計算で所要時間を割り出せる。
運動と休憩は、次のように繰り返せばよいだろう。
- 運動1:40秒
- 休憩:20秒
- 運動2:40秒
- 休憩:20秒
- 運動3:40秒
- 休憩:20秒
- 運動4:40秒
- 休憩:20秒
- 運動5:40秒
- 休憩:20秒
この5分間を1セットとする。 この後さらに30秒の休憩を取り、呼吸と体勢を整えて、次のセットに入る。 合計で3セット行うことを目標にしよう。 ウォームアップとクールダウンもお忘れなく。HIITの時間に含めてもいいし、分けて考えてもいいだろう。 前後に2分以上のウォームアップとクールダウンを加え、合計で約20分のワークアウトにするのがおすすめだ。
セッションを何度か繰り返すうちに、運動と休憩の時間の割合を変えてみたくなることもあるだろう。 たとえば、最大の強度で1分運動した後に2分休憩するとか、20秒運動して10秒だけ休憩をするといった案が浮かぶかもしれない。
それでも最初の数週間は、ワークアウトの感覚をつかむために、一定のパターンに従う方が効果的だ。 感覚をつかんだら、時間を変える、ウェイトを増やす、器具を変える、ハイインパクトの運動とローインパクトの運動を組み合わせるなど、いろいろと工夫してみるとよい。
2.好みの運動を取り入れる
自分だけのHIITワークアウトは比較的シンプルに組み立てることができる。 これを「自制心と集中力が求められる課題の実行だ」と説明するのは、ACE認定パーソナルトレーナーのトーマス・ロー。サンアントニオにあるHIITワークアウト専門のスタジオ、Local Moves Studio所属のトレーナーだ。 成功を導く手段の一つとしては、好きなエクササイズだけでプランを組めばよいという。
たとえば、縄跳びが好きだと言うローは、3分間縄跳びをしてから休憩するか、プッシュアップやプランクといった負荷の低いローインパクトエクササイズを行う。 彼はこのパターンを30分にわたって繰り返す日もある。 メインのエクササイズを縄跳びに決めておき、その他の時間に別のオプションを加えて、気分を変えるのだ。
ローによると、負荷の高さによって非常に効率的なワークアウトができるため、20-30分しかなくても、時間を有効に使った気分になれるとのこと。
定番のHIITワークアウトには、ほかに次のようなものがある。
- バーピー
- ジャンプスクワット
- メディシンボールスラム
- ボックスジャンプ
- ジャンピングジャック
- ハイニー
これらはすべてハイインパクトの運動だが、医師からの勧めがあった場合は特に、ローインパクトの運動を選んでもよい。エクササイズプログラムを開始するときは、加える負荷を制限する必要がないかどうか、あらかじめ医師に相談するようにしよう。 ローインパクトの運動には、次のようなものがある。
- マウンテンクライマー
- スクワット
- ケトルベルスイング
- プッシュアップ
- オルタネイティングランジ
- プランクショルダータップ
「ワークアウトを組み合わせるときは、切り替え時の行程を把握できるよう、軽めに通して行ってみるとよい」と語るのは、ミネアポリスにあるFit Studioのオーナーで、認定ストレングス・コンディショニングスペシャリスト(C.S.C.S.)の有資格者でもあるアーロン・レーベンタール。 たとえば、プランクジャックからマウンテンクライマーへの移行はとても簡単だが、メディシンボールスラムからケトルベルスウィングに切り替えようとすると、器具を変えなければならない。事前に準備していなければ、器具の持ち替えで休憩時間が削られかねない。
レーベンタールはこう話す。「古くから言われているように、最適なトレーニングとは自分が実践できるもののことを指します。 インターバルトレーニングでは、最適な運動の組み合わせに加え、運動と休憩時間の最適なバランスを見つけることが重要。ハードだと感じて次のワークアウトが嫌にならないようなプログラムを組み立てましょう。 そうしないとやる気をなくしてしまいます」。
「運動習慣がうつ病や不安症に効果的な理由」の記事もチェックしよう。
3.最初は運動の種類を少なめにする
HIITワークアウトにはさまざまな運動があるため、1回のセッションにできる限りたくさんのエクササイズを詰め込みたくもなるだろう。 たとえば3セットのワークアウトを行う場合、各セットに5種類ずつ、合計で15種類のエクササイズを行うこともできる。
これでは効果が低くなる可能性があるとレーベンタールは話す。なぜなら、エクササイズの種類を減らした方が、後半のセットで高い効果が得られる傾向があるからだ。 そうすれば、次のワークアウトを思い出す手間が減り、フォームの向上に時間を割けるようになる。 ウェイト、ケトルベル、メディシンボール、縄跳びなど、器具を使う場合はなおさらだ。 どこでもできる、無駄を省いたシンプルなHIITワークアウトを行いたければ、まずは少数の自重トレーニングに的を絞るのがいいだろう。
プロからのアドバイス:ウォームアップを忘れずに。レーベンタールによれば、ワークアウトで使う筋肉の準備運動になるだけでなく、適切な心構えもできるという。また、クールダウンは、心拍数を正常な水準に戻す助けになる。
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文:エリザベス・ミラード