ランニング後の足首の痛みを防ぐには
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足首の痛みはランナーにとって珍しいことではないが、厄介な問題であり、場合によっては重大な障害の兆候となる可能性もある。 ここでは足首の痛みを防ぐ方法を解説。
ランニングの後に足首が痛くなると気が滅入る。単に少しひねったために起きる痛みのこともあるが、場合によっては深刻なけがのサインである可能性も。 足首の痛みは、走力の妨げとなる炎症や腫れを伴うことが多い。 それはもしかすると、腱や筋肉の疲労、捻挫、疲労骨折のサインかもしれない。
足首の関節はちょうつがいのように機能し、背屈(足先を上に向ける)、底屈(足先を下に向ける)、内がえし(土踏まずを内側に回転させる)、外がえし(土踏まずの反対側を外側に回転させる)、内転(足先を体の中心方向に向ける)、外転(足先を体の外側に向ける)の動きが可能。
足首関節の動きを理解すれば、原因を特定しやすくなる。 すべての動きに問題がない場合は、筋肉や靭帯、腱に障害があるのかもしれない。 足首の主な筋肉は次のとおり。
● ふくらはぎの筋肉は膝から下の後ろ側の筋肉で、アキレス腱につながっている。
● 腓骨筋は、足首と足の外側にある筋肉。
● 後脛骨筋は、ふくらはぎの内側にあり土踏まずを支える。
● 前脛骨筋はすねの前側の筋肉で、足先を上に向ける働きをする。
これらの筋肉や腱が動きをコントロールし、足首を安定させている。 筋肉や腱のけがが原因である場合、足首を触ると痛んだり、腫れたり、立つと痛みを感じたりする。
ランナーは、足首に痛みがあると、最高のパフォーマンスを発揮できなくなる。それどころか、痛みや違和感が長引き、日々のトレーニングに支障をきたす可能性がある。
ランニング後に足首が痛くなる原因
1.オーバーユース(使いすぎ)
最もよくある足首の痛みの原因は使いすぎ。炎症、腫れ、赤み、あざ、可動域が制限される、熱を持つといった症状が特徴だ。 リカバリーに十分時間を取らずに次のワークアウトをこなしたり、短期間に走る距離を伸ばしたりすると、使いすぎによるけがを発症しやすくなる。
使いすぎによる足首のけがを防ぐために役立つガイドラインは以下の通り。- 10%ルールを守る:1週間の走行距離の増加は10%以内に抑えること。 たとえば、前の週が20マイルだった場合、22マイルまでにする。 かなり少なく感じるかもしれないが、体が無理なく順応できる。
- 休息日を設ける:足首の痛みは、休息が必要だという体からのメッセージ。休息日を挟むというのは、すべてのランナーが従うべきルールとは言えないが、初心者にはおすすめだ。 走る距離が短い場合は、トレーニングの回数が多くても体はたいてい対応できるが、長距離を走る場合はしっかり休息をとる必要があるだろう。
- RICE処置:けがの応急処置としてRICE処置という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。 長距離ランの後にリカバリーを促進し、足首の痛みを防ぐ対策としてこれを取り入れてみよう。
RICEとは、rest(安静)、ice(冷却)、compression(圧迫)、elevation(挙上)の頭文字をとった言葉。 冷却やイブプロフェンの服用など、抗炎症効果のある処置を施すことで、炎症を軽減し、赤くなったり熱を持ったりする症状を抑えることができる。
問題がある部位の血流を促すために、足首用のコンプレッションスリーブを着用してみるのもいいだろう。 また、足首を高い位置に置くことで、足首から余分な血液を流し、体による自然治癒プロセスを助け、痛みや腫れを軽減できる。
- 10%ルールを守る:1週間の走行距離の増加は10%以内に抑えること。 たとえば、前の週が20マイルだった場合、22マイルまでにする。 かなり少なく感じるかもしれないが、体が無理なく順応できる。
2.扁平足
扁平足は、足のアーチが崩れ、足首が内側に倒れ込む原因になる。 これはオーバープロネーションと言われる。 遺伝による扁平足が後脛骨筋腱機能不全(PTTD)を引き起こす場合もあれば、PTTDによって後天的に扁平足になる場合もある。
オーバープロネーションの傾向がある足でランニングをすると、足首が不安定になる。 オーバープロネーションに対処しないままだと、足首の不安定な状態は徐々に治らなくなり、足首の痛みやけがのリスクが高くなる。 オーバープロネーションの対処方法をいくつか紹介しよう。- 専用のランニングシューズ:オーバープロネーション向けにデザインされたランニングシューズは、優れたクッション性とアーチサポート性を備えている。 この機能のおかげで、足首が内側に倒れ込み、不安定になるのを防げる。 また、着地時に足にかかる衝撃を吸収し、分散する効果もある。 (ヒント:スタビリティシューズがおすすめ)
- 足首用の矯正器具:症状が重い場合、足の構造をサポートする矯正器具を使用するようすすめられるかもしれない。 矯正器具を使うと、関節の位置を正常に保つことで、足首の安定性をコントロールできる。 ウォーキングやランニングの際に足をしっかりサポートするために、矯正器具を装着してからシューズを履く。
- 理学療法:PTTDは一般的に、理学療法で治療する。 レジスタンスバンドを使用し、内がえし、外がえし、足首の回転などのエクササイズを行って関節を強化するよう、理学療法士から指示を受けることがある。
- 専用のランニングシューズ:オーバープロネーション向けにデザインされたランニングシューズは、優れたクッション性とアーチサポート性を備えている。 この機能のおかげで、足首が内側に倒れ込み、不安定になるのを防げる。 また、着地時に足にかかる衝撃を吸収し、分散する効果もある。 (ヒント:スタビリティシューズがおすすめ)
3.不適切な走法
ランニングで足首が痛くなる最後の要因は、走法にある。 ストライドが大きすぎると、足首を繰り返し過度に屈曲させることになるため、痛みが生じる可能性がある。 また、筋力が足りない場合や筋肉のバランスが取れていない場合も、足首の機能に影響が出ることがある。
これに対処するには、筋力トレーニングやヨガなどクロストレーニングを取り入れ、足首周辺の筋力や可動性を高めるとよい。
ランニング後の足首の痛みを放置するとけがに発展する
足首の痛みは、できるだけ早く対処すれば悪化を防ぐことができる。 痛みを放置すると、次のような障害に至る可能性がある。
● 足底筋膜炎:つま先とかかとをつなぐ足裏の組織に痛みが生じる
● 足根管症候群:後脛骨神経が圧迫される(手根管症候群と同じだが、これは足に起きる障害)
● アキレス腱炎:アキレス腱に痛みやこわばりが生じる
● その他の足首のけが:足首周辺の腱、筋肉、靭帯、骨に関わるあらゆるけが(足首の捻挫や疲労骨折など)
けがのリスクを高めることなく強度の高いワークアウトをこなすための専門家によるヒントを参考にしたい場合は、Nike Training Clubアプリのダウンロードをおすすめする。