最終更新日:2021年7月29日
ACG
「無題」
作:ラシャーン・ジルズ
都会で育った僕は、
小さすぎるアパートの床に座って、
自分の世界に閉じこもり、
誰かの諍いに関わらないように
行儀よくふるまってきた。
自然の中を旅する機会はなかったから
母なる地球と僕の間には
痛ましいほどの距離があった。
でも自分だって、自然の一部なんじゃないか?
僕こそが自然なのだと主張してもいいはずだ。
君が自然の代表であってもおかしくない。
僕たちは水を与えられて咲き誇る。
肌の色にも大地の記憶が現れている。
子宮から飛び出した時にいたのは
病院じゃなくて大地の上だった。
このトレイルが地図に載っていなくても構わない。
僕たちの母や祖母たちから受け継いだリズムで、
実現すべき夢に向かって進んでいく道筋だ。
自分の義務を果たすべく、ここにやってきた。
謙虚な気持ちに満たされている。
自分こそが自然だと考えながらも、
今までこの大地を歩いたことがない。
大地に受け入れてほしいと願っている。
僕が恐れを振り払って進む時も、
お互いのことを理解し合う間も、
大きな好奇心を受け入れてほしい。
新しい肺を手に入れたような気分だ。
今こそ新しい空気を胸いっぱいに吸い込もう。