朝すっきりと目覚めるための6箇条
COACHING
エキスパートが提案するシンプルな習慣で、エネルギッシュに1日を始めよう。
最終更新日:2020年11月30日
エキスパートが提案する、シンプルな目覚めのルーチン。毎日の習慣に組み込んで、楽しく元気に、1日をスタートしよう。
- アラームは毎日同じ時刻にセット
「平日は7時に起きているのに、週末は10時まで寝ている人がいますね。すると日曜日の夜に、体内時計を無理矢理3時間戻すことになってしまいます」と語るのはマシュー・ウォーカー博士。人類睡眠科学センターの創設者兼ディレクターで、Nikeパフォーマンスカウンシルのメンバーだ。「それは毎週サンフランシスコとニューヨークを行き来しているようなもので、社会的時差ぼけとも呼ばれる状態。身体にとっては過酷な習慣です。毎日同じ時刻に起床すると、体内に自然な24時間リズムが生まれ、フットワークも軽くなります」
- 音楽で目覚める
オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の研究で証明されたこと。音楽をアラームとして使えば、耳障りなノイズで目覚めるよりもすっきり起きられる。「ピピピという耳障りな音には、覚醒時に脳の活動を混乱させる作用があるのかもしれません。しかし一方で、旋律のある音には、より効率的に覚醒状態に導く効果があると考えられています」と語るのはエイドリアン・ダイヤ氏。研究論文の共著者で、RMIT准教授を務めるエキスパートだ。最も効果的なメロディーとリズムの組み合わせについては、更なる研究が必要となるだろう。 だが、どんな音楽であれ、うるさく鳴り響くアラームよりはよほどましだろうと研究者たちは考えている。
- スヌーズをやめる
「スヌーズボタンを押しても、その瞬間にちょっと気持ちいいだけ。身体にも脳にも良くありません」と断言するのは、医学博士のシェリー・D・マー氏。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のヒューマンパフォーマンスセンターで医者兼科学者として活躍し、Nikeパフォーマンスカウンシルのメンバーだ。エリートアスリートの睡眠とパフォーマンスを専門にしている。「覚醒前の睡眠は、記憶の固定化に使われる大切な要素。スヌーズボタンは、その貴重な睡眠を台無しにしてしまいます。早朝の時間帯は、記憶の固定化に重要なレム睡眠が最も頻繁に発生する時間帯なのです」
- まずは一呼吸置く
目が醒めたとき、まずやっていることは何だろう。多くの人はスマートフォンに手を伸ばし、メール、通知、ニュースなどをチェックしているのが現実だ。「このようにいきなり活動を始めると、ストレスホルモンのコルチゾールが稲妻のように分泌されて身体と脳を駆け巡ります」と語るのはベリーサ・フラニツキ氏。ニューヨークで活動する臨床心理学者だ。新著『Breathing for Warriors』で推奨しているのは、ストレス反応を遮断する朝の儀式だ。目が醒めてからベッドを離れるまでに、腹式呼吸を3回やろう。鼻からゆっくりと息を吸い、腹部を膨らませて口からゆっくりと息を吐く。深呼吸でリラックスすれば、身体が交感神経(闘争・逃走)反応から副交感神経(休息・消化)反応に移行し、落ち着いた気持ちで1日を始められる。
- 感謝すべき対象を思い浮かべる
感謝の心で1日を始めれば、あらゆることを気持ちよく受け入れられる。朝起きたら、その日に楽しみにしていることを思い浮かべよう。今日やりたいワークアウト、太陽の光を浴びる気持ち良さ、もうすぐやってくる週末のことでもいいだろう。学術誌『Personality and Individual Differences』の研究によると、メンタルの健康はフィジカルの健康にも好影響を与える。現状に感謝することをやめてしまうと、人は自分の健康目標などに固執し、健康上の不安を誰かに解決してもらいたいという依存心が強まってくる。
- 温かいものを飲む
良い睡眠に導くには、体温を1度くらい下げる必要があるとウォーカー博士は言う。「暑すぎる部屋よりも、寒すぎるくらいの部屋で入眠しやすいのはそういった理由です。反対に、目覚めをよくするには起床時に身体を温める必要があります。自動の温度調節機能があれば、起床時刻の30分ほど前から室温が数度上がってくる設定しておくと良いでしょう」と博士は勧める。温度調節機能がない場合は、白湯、お茶、コーヒーなどの温かい飲み物を口にすれば同じ効果が得られる。